カサンドラ愛情剥奪症候群とアスペルガーについての交流会を兼ねた勉強会にパートナーと参加してきました【前篇】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

発達障害、カサンドラという言葉もずいぶん市民権を得てきましたね。

今は完全に離脱していますが、私自身も過去カサンドラ状態に陥った経験があります。コラムでも何度か書いているとおり、息子はADHDがある重複、パートナーは重複なしのASD孤立型です。

紆余曲折ありましたが、確定診断はなくともパートナー自身ASD孤立型であることを自覚していますから、今回の会に一緒に参加しました。

ご自身もグレーゾーンでカサンドラ状態に陥った経験もある方が主催者で、当日ASD当事者、カサンドラ当事者が15人ほど集まりました。私が参加したのはカサンドラ状態真っ只中の人に対し、数少ないカサンドラ完全脱却組で且つ専門家であり、支援者という特殊な立場から微力ながら力になることができるのではないか?という理由からです。

カサンドラ、ASDどちらも当事者会というのは星の数ほど存在するのですが、“互いを理解し合い、尊重しながら共存を目指す”ことを目的に両者とも参加を認めて開催される会は少ないのが実情です。

情緒的な交わりが難しく、独特の認知やコミュニケーションスタイルを持つASDに振り回され傷つけられていると感じているカサンドラ側は、最初のうちはその苦しさから攻撃的になる人も多く、そのような場にASD本人を参加させればどうなるのか火を見るより明らかです。

理解したいのに理解できない、理解しようと頑張っているのは自分だけ、いつも一人ぼっちで孤独、誰にもわかってもらえない、パートナーが自分勝手過ぎる・・・そんな思いを抱えて一人で苦しんでいれば苦しみのあまり、初めは攻撃的になる人がいても仕方ありません。

今回参加した会は攻撃的な段階を過ぎ、次のステップに行くために悩んでいたり、より理解を深めたいカサンドラの人ばかりが参加していたせいか、感情を爆発させ攻撃的な言動を発する人は誰もおらず、終始穏やかな時間でした。

カサンドラテーブル×2、ASD当事者テーブル(私はこちらにいました)×1で、私のいたテーブルはパートナーを含め4人がASD当事者でした。

ASDやカサンドラについてのミニ勉強会のあと、フリーテーマで交流をしミニワーク、そしてテーマを決めてテーブルを移動しフリートークという流れでした。

ざっくりASDと言ってもさまざまなタイプがあり、その人それぞれの性格まで考えると十人十色、特性に共通項があっても濃淡もあることから誰一人として同じASDの人はいません。おまけにほとんどのASDの人はADHDやLDなども重複しているので、ますます問題が複雑化しています。

タイプが違えばアプローチも違い、特性の濃淡でもずいぶん変わってきます。

同じようにカサンドラ状態に陥っている人にもツラさは同じでも、性格+幾つかのタイプがあるように感じています。

ASDで日本人に多いのは受動型重複ですが、パートナーは極めて少ないASD孤立型でADHD要素はまったくありません。重複していると「それASDの特性だよね、そっちはADHDの衝動性からきているもの」のようにあちこちに散らばる困り感への対応が変わってくるため、ひと言で「この人アスペ」と言えないケースがほとんどです。

多くの発達障害を持つ人と関わってきましたが、重複なしの純粋(?)ASDはパートナーを含め2人だけでした。

孤立型は自身で困り感を感じていない(他者への関心が極めて薄く、積極的に関わりを持ちたい欲求はほとんどありません)ので、交流会に自分から参加することはまずありません。パートナーも私がいなければ絶対に出向かないそうです(笑)

次回は参加したパートナーがどのように感じたのかを話してもらいたいと思っています。

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