連載:アサーション【4】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

アサーションの連載最終回は、アサーティブなコミュニケーションを心がけるために幾つかワークをやってみましょう。

【自分の気持ちに気づく1】

気持ちを表す言葉をできるだけ多く書き出してみましょう。

例)楽しい、嬉しい、悲しい など

【自分の気持ちに気づく2】

次の( )の中を自分と向き合いながら埋めてみましょう。

  • 私は(  )とイラッとする。
  • 私は(  )と楽しい気持ちになる。
  • 私は(  )と悲しい気持ちになる。
  • 私は(  )に喜びを感じる。
  • 私は怒ると(  )になります。
  • 私は悲しいと(  )になります。
  • 私は嬉しいと(  )になります。

今まででアサーションに必要なことを学んできました。アサーティブには大きな柱があります。それは、

【誠実】【率直】【対等】【選択と自己決定】

です。

また、アサーティブになるために実践、意識しておくと良いこともあります。

自己決定/感情表現/自己責任/断る/頼む/褒める/傾聴できる/率直に意見が言える/交渉する/自己実現/褒め言葉を受け取る/建設的な批判/新しいことに挑戦する勇気/正当な批判を受け入れられる/不当な批判に対し、それを否定し自分の意見や気持ちを伝えられる/長所短所も含め自分を好きでいられる などです。

それぞれの表現の違いから心理パターンを考えていきましょう。

アサーティブな表現
自己決定→相手に表現(気持ち/意見)→それに対し相手がYES、NO→YESの場合「ありがとう」と感謝の気持ち→NOの場合→双方が譲歩、歩み寄りなど擦り合わせをして提案

●アグレッシブな表現
自己決定→相手に表現→思いどおりになる→自分は満足だがイマイチ後味が悪い(後悔する)→相手から嫌われたり敬遠される→孤立する

●ノンアサーティブな表現
不快、不愉快→欲求不満→相手に対し怒りが蓄積(相手を恨む、誰かに八つ当たりする)→キレる、もしくは我慢する→自分のせいと考え、自分を責める→鬱になる

最初は意識しないとアサーティブになれないかもしれませんし、特定の人に対してだけアサーティブになれない場合もあるかもしれません。

自分の中に無意識に「負けたくない」「認めることは負けだ」「謝ったら負け」「言い負かせたい」「自分が正しい」という気持ちがあると爽やかな表現はできません。

そのためにワークで自分を知る“自己理解”が不可欠です。

他者理解をする前に自己理解。

今一度、案外知らない自分自身としっかり向き合い、自分の一番の理解者になってみませんか。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

連載:アサーション【3】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

連載も3回目となりました。今回はアサーションスキルについてです。

対人スキルや感情マネジメントは練習すれば誰でも必ず上達することができます。アサーションスキルも同じです。

アサーションスキルに大切なことは、

●自分自身で自分の気持ちや考えを正確に捉え、自分が感じていること(感情)を把握する。

●相手はもちろん、周囲の状況を観察する。相手の状況や行動を具体的に描写する。

●自分の考えや気持ち(要求・希望)を感情的にならず、正直に明確に表現するスキル。

●言葉(文字)以外のシグナルを活用する。→視覚聴覚といったノンバーバルコミュニケーションスキル。
視覚的→表情、眼差し、身振り手振り、態度や姿勢。
聴覚的→声の大きさ、高低、速さ、話し方
+話をする空間(物理的)、相手との距離、話をする場所の静かさ。

また、話す内容(言葉)と表情が一致していることも大事で、これにより相手の気持ちが伝わりやすくなります。深刻な話をしているのに、ニヤニヤしながら大袈裟なアクション付きで話されたらどうでしょうか?

相手を理解するための“聴く”スキル

自分の考えや気持ち、意見をいの一番に主張するのではなく、相手の気持ちや考えを聴く姿勢を持つ。(普段、職場などでは意識していないと案外できていないことが多い)

共感的に聴き、3D(だって・でも・だけど)で返さない、批判しない、話を被らせない、適切に質問を挟む、沈黙を恐れない。

以上がアサーションスキルです。簡単そうですが、意識しないと自分の癖が出てしまいます。

日常的に意識することこれが肝です。そうすれば誰でも必ず上達することができます。

次回はさまざまな表現から私たちはどのような心理状態になるのか、なぜアサーティブになれないのか?を考えていきます。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

連載:アサーション【2】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

世間はお盆休みも終わり、今週は少し疲れた方も多いと思います。

さて、2回目となる今回は、“自分の考えや気持ちを伝えるということ/相手を理解するということ”について説明します。

ご存じのとおり、コミュニケーションは伝え手と受け手がいることで成立します。受け手がいなければただの独り言ですから。

自分の考えや気持ちを言葉(文字)にして、相手に表現(伝える)し、受け取った相手がそれに対して応える(答える)ことで、相手の考えや気持ちを聴いて(読んで)受け止めますよね。

その後、その事柄に関してズレや誤解が生じていないのかを互いに確認し合い、ズレや誤解があるようであれば、それらを小さくしたり無くすための調整を再度コミュニケーションという手段を使って繰り返していきます。

ここで“自分を伝えるということ”で理解しておかなくてはいけない大切なことがあります。

自分が伝えたことは必ずしも相手に正確に伝わるとは限らない。 ←どんなに長く深い付き合いがあったとしても、自分と他者には価値観や認知の違いがあるもの、察してほしいはただの甘え以外の何ものでもありません。 職場であれば、上司、同僚、後輩、取引先と個人的な深い付き合いはないことが多いので、なおさらと思ったほうがよいでしょう。

より正確に伝えるためには、両者の間に生まれる誤解やズレを埋める必要があり何度もコミュニケーションを繰り返し、わかり合おうとするのがコミュニケーションの“本質”。

自分の思い、考え、気持ちを伝えるには“自分の中にある気持ちや考えをなるべく正確に”取り上げ←ここで自己理解も必要になります。感情的にならず正確に伝える努力をし、明確な自己表現をする。

ことです。

同じように、“相手を理解するということ”についても覚えておかなくてはいけない大切なことがあります。

人の数だけ理解の枠組みがあり、同じ体験をしても言葉の意味付けの違いによって感じ方が変わる。

人は十人十色、皆がそれぞれ異なる準拠枠を持っているもので、理解の方法や枠組みは違うもの、準拠枠が異なれば同じ言葉や出来事であっても感じ方や理解の仕方は異なる。

ということです。普段わかっているつもりでも、案外忘れてしまったり、無意識に自分の準拠枠で相手を見てしまう、あるいは当てはめてしまっていることはありませんか。特に会議などオフィシャルな場での発言は案外伝わっていなかったり、メンバーそれぞれの準拠枠で捉えられていることが多々あります。

【個人対個人】であれば伝わりやすいですが、会議など【個人対複数】となると、人によって準拠枠が異なりますからなかなか伝わりづらいものです。

次回は具体的なアサーションスキルについてお話しします。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

連載:アサーション【1】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

導入でもお話ししまたが、まず4つのコミュニケーションパターンの説明から入ります。

【ノン・アサーティブ】

納得がいかなくても相手の気持ちや考えを最優先して「わかった/はい」というタイプで、相手は尊重するが自分を大切にしない自己表現。図②

人間関係で起こった問題を「私が悪いからだ」「私のせいだ」と自責に向きやすく「仕方ない・・・」と諦める人に多く見られます。

【アグレッシブ】

自分は大切にしても他者を尊重しない自己表現。図①

他者との関係において勝ち負けで考える傾向が高いので「自分は間違っていない/相手より優れている」と無意識に相手より優位な立場に立とうとすることから、威圧的な態度や押し付けるような一方的な言動が目立つため、反感を買いやすく主張が受け入れてもらいにくくなります。上司になればなるほど気をつけたいですね。

【パッシブ・アグレッシブ】

アグレッシブと似ていますが、作為的なタイプ。図③

納得がいかず不満があっても本人の前ではっきりと主張はせず、何とか察してもらおうとする面倒なタイプです。「自分だけた悪いわけじゃない、悪いのは相手も同じだ(この気持ちのほうが強い)」と考えるので表面上は冷静に見えても、怒りを溜め込んでいます。

【アサーティブ】

自分の気持ちや考えを大切にしますが、同時に相手の気持ちや考えも尊重する自他尊重のコミュニケーションパターン。図④

自分の言いたいことをそのまま伝えるのではなく、相手の考えや立場を尊重し、受け取り方まで考え、その場にふさわしい方法で表現しようとします。時として、意見の食い違いが起こることはありますが、譲歩し合いながら根気よく意見を出し合おうと努力します。

下図で理解してみましょう。

次回は“自分の考えや気持ちを伝える”ということについて、アサーティブになるためのヒントや相手を理解するということはどういうことか?に話を進めます。

8月15日月曜日は夏季休業のため、コラムは休載します。8月20日土曜日から掲載します。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

連載:アサーション【導入】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

今回から5回連載でコミュニケーションスキルであるアサーションについて、じっくり取り組んでいきます。

アサーション、皆さんも言葉くらいは聞いたことがあると思います。

アサーション、アサーティブを直訳すると【主張・断言・断定的】となり、これだとかなり一方的に自己主張するかのように聞こえてしまいます。とても人間関係をまろやかにするコミュニケーションスキルとは思えませんよね(笑)

※アサーション:アメリカが発祥で個人主義の国から生まれたためか、自己主張することの大切さが重んじられた結果、日本語に直訳すると上記のようになったのかもしれません。

ですから、あえてわざわざ日本語にせず“アサーション”“アサーティブ”のような使い方をします。日本語に意訳するとすれば、“さわやかな自己表現”になります。

さわやかな・・・?これまた抽象的で掴みどころのない・・・と思いませんか?私も初めて聞いた時はイメージしにくく頭の中が『?』だらけでした。

アサーションとは、

自分も他者も尊重した自己表現(コミュニケーション)

のことで、

自分の考えや気持ち、欲求を正直に且つ率直に、その場の雰囲気や状況に合った適切な表現で伝えること

になります。

コミュニケーションスキルとは言いましたが、感情マネジメントとしての側面もあることから、今は(公立の)小学校から取り組み始めており、現在高校生である息子も小学校で教わっていました。もちろん企業での講演、講習会や勉強会でも一番ニーズがあるのがアサーションです。

ではなぜ、そこまでアサーションが重要視されるようになったのでしょうか。

人間が生きていく中で常に直面し、一番ストレスを感じやすいのが人間関係と言われています。学校、職場、恋人や夫婦に友人関係、どの場面でも他者との関わりは避けて通れません。関わるというのは、そこにコミュニケーションが生まれるということになります。プライベートではある程度、自分がお付き合いしたい人を取捨選択できますが、学校や職場ではそうもいきません。今ではパワハラやモラハラが社会問題になっていることも背景にあると思われます。

そこで良好な人間関係を築いていくためにアサーティブな表現やアサーションが有効になってきます。

しかし、相手や状況によっては言いたいことが言えなかったり、言い方がわからなかったり、言いたいことをそのまま伝えて相手を不愉快にしてしまったり、怒らせたり傷つけてしまったり・・・これではどのような人間関係でもヒビを入れていまうことになりかねません。

アサーションでは自己表現の仕方を4つのタイプに分けて考えていきます。

  • ノン・アサーティブ
  • アグレッシブ
  • パッシブ・アグレッシブ
  • アサーティブ

それぞれの特徴を理解し区別できるようになること、そして自分のコミュニケーションパターンを知ることからスタートします。

次回から具体的に自己表現やコミュニケーションパターンについて、お話ししていこうと思います。

8月15日月曜日は夏季休業のため、コラムは休載します。8月20日土曜日から掲載します。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

心の生活習慣

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

今回は私が普段から意識したり、実践していることについてお話ししようと思います。

当然疲れ果ててできない日もありますし、何となくサボってしまう時もありますが、それこそ“人間だもの”と自分を許し(甘やかし?)、「明日はやろっと!」と思うだけです。

普段から常に意識しているのはマインドフルネスです。

私は主に脳の疲れをリセットしたい時やストレスマネジメントに使っています。慣れると電車内でも自転車に乗りながらでも、周りに注意は払いながら瞑想モードに入れます。

私は本来感情の起伏もなだらかでイライラしやすいタイプでもキレやすいタイプでもありませんが、モヤモヤしたり『?!』は感じるのでマインドフルネスを心掛けています。

折り合いをつけづらい(理不尽が多い)気持ちはコラム法で視覚化し、自分の中に認知の歪みが出ていないか確認し、ごちゃごちゃになりやすい問題は課題の洗い出しでマインドマップを使います。

コラム法:その時の出来事とその時の感情、思考を紙に書き出し、自分の認知の癖に気付きバランスを整えていく認知療法。

一番気持ちがザワつくことが多いのは、やはり発達障害重複(ASDとADHDの両方)を持つ思春期真っ只中の手強い息子に対してで、普段から気持ちをフラットにしておくことを心掛けないと、あっという間にバイアスがかかり親子関係が悪化します。

私のスキルは息子に鍛えられていると言ってよいかもしれません(笑)。手強い息子に感謝です。

人は思考、感情の生き物です。感情がなければ人間とは言えないかもしれませんね。考えなくなったらただの葦ですし・・・。

ただ、感情のままに生きる、感情を他者にぶつける、これでは自分も苦しいことがあります。そんな感情マネジメントができない人が相手だと、他者も付き合いづらいと感じるでしょう。当然人間関係に齟齬や軋轢を生みやすくなります。

感情マネジメントとアサーションを身につけるのは、気持ちよい人間関係構築のための社会人必須のスキルではないか、と思う今日この頃です。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

プラスに言い換えて受け止め方を変えてみましょう【リフレーミング】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

リフレーミングとは・・・

物事を見る枠組み(フレーム)を変え、違う視点で捉えることで前向きに解釈できる状態になることです。

ネガティブに捉えがちな自分の短所(と思い込んでいる)を違う角度から眺めてみると、案外長所だったりするものです。

例えば、“人見知り”は“慎重である”と言い換えることができます。

探し出してリフレーミングで一般的にネガティブと思われがちないろいろな言葉をプラスに言い換える練習をしてみましょう。

愛想がない
→その人の肩書きや出会った状況に流されない。

●心配性
→感受性が鋭く慎重、真面目で責任感が強い。

●流されやすい
→柔軟性があり、臨機応変で適応力が高い。

●見栄張り
→発想力がありエネルギッシュ、向上心がある。

●目立ちたがり
→社交的で行動力がある。

●弱虫
→自制心が強く慎重、物静かで思慮深い。

●腹が立つ
→正義感が強く、自分に正直。

●優柔不断
→多角的に物事を見ていて慎重。

●気分屋
→自由で感情表現が豊か、切り替え上手。

など。

短所だと思ってコンプレックスがあったり、ネガティブな感情を持つ自分が嫌になった時こそリフレーミング。←ここがミソです。開き直ってリフレーミングすると、間違った方向へいきます。例えば『腹が立つ』の場合、開き直って<気に入らないならしょっちゅう腹を立てていい>と言っているのではありません。それは単なるわがままで、場合によっては即、パワハラ、モラハラになります。

物事は一方の方向から見るものではなく、あらゆる角度から見て判断するものです。頭でわかっていても、日常の生活や仕事に追われていると、ついついそのことを忘れて、自分の尺度や自分が考えるフツーという物差しで相手(他者)や物事を見ていませんか?

ペットボトルも、上から横から真下からと、視点を変えるといろいろな表情(形)があります。ペットボトルのシルエットを想像すればわかると思います。

あなたが短所だと思っていることが、他者からは案外魅力的に映っているかもしれません。

ちなみに私のパートナーは“超”がつく人見知りです。心のハードルが物凄く高いのですが、その分バウンダリーがしっかりしています。おいそれと内側(内面)に踏み込めないタイプです。

パートナー本人はどう感じているのかはわかりませんが、私からは慎重でリスク管理能力が高く、とても頼り甲斐があると思っています。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

厄介な自己愛オバケ

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

“自己愛”と聞くと、どんなイメージを持ちますか?

自己愛は、自分を認めありのままを受け入れていくことで育まれていく自己肯定感のベースになります。

ただ、自己愛が強過ぎる(自分大好き過ぎ/自分大切過ぎ)とかなり厄介で、周りから疎まれる存在になってしまうのも事実です。

その自己愛オバケの特徴を見ていきましょう。

他者から賞賛されること、承認欲求が強い

→SNSで「いいね」の数、賞賛コメントが少ないと自尊感情が低下してしまう。自分が期待する反応がないと「自分はもっと評価されるはずの人間なのに」と落ち込んだり、評価されなかったことに対して怒りを覚えます。

他者から特別な配慮や敬意を持った扱いをされることを期待し(それを当たり前と考えている強者もいる)、それが叶えられないと不満・鬱憤を溜め怒りを覚えやすい。

→自分を特別扱いしてほしいかまってちゃんにありがちですね。成り金もこのタイプが多い傾向にあります。

自己愛強過ぎタイプで有能感が強い人

大昔に大企業のお偉いさんだったであろう(あるいは地区のお偉いさんとか?)今はただの人が「俺を誰だと思ってるんだ!(怒)」とコンビニで息巻いて突っ掛かりまくりなのを見たことがありますが、まさに「俺スゴイ俺エライ」と、この自己愛拗らせ倒した自己愛オバケの典型です。社会的地位の高かった男性に多い傾向にあります。なかなか滑稽ですが、カラまれる側はたまりませんね。

自分の不安や不満、感情を調整して表出コントロールしずらく、他者に感情の尻拭いを持っていきがち、あるいはぶつける。

簡単に言うと、八つ当たりですね。当たられた側は不愉快極まりないと思います。

また、自己愛の強過ぎる人はとても傷つきやすい人でもあるので、傷つかないために他者の言動に反応する心の防衛反応が過敏で攻撃的になりやすいと言えます。実際、自己愛が強過ぎる人は他者に対し「えっ?そんなことで?」「どこに地雷あった?」という場面で攻撃的な態度を取ります。ある意味、このタイプも生きづらいだろうと思います。

いろんな“生きづらさ”をテーマに、次回は【メンヘラと呼ばれる人たち】について考えてみます。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

番外篇:感情解放

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

良くも悪くも“感情”は、私たちをザワつかせ振り回します。

嬉しい楽しいといったポジティブな感情は解放しやすいのですが、不安やイライラ、妬み、悔しい、怒り、悲しい、孤独というネガティブな感情は、無意識に自身で恐怖や不安という堤防を作るので、解放しにくいと言われています。

解放=(誰かに)ぶつける

ではありません。

そもそも“感情”とは一体何なのでしょうか?

感情は潜在意識(無意識)と深く結びついています。自分の感情を意識し受容していくことは、自分自身を深く知ることにも繋がっていくのです。

厄介なことに潜在意識は抑え込もうとすればするほど反発する性質があります。悲しい時に我慢して泣きもせず、悲しい気持ちから目を逸らしても、いつまでも突き刺すような悲しみがそのままの形で心の底に澱(オリ)のように降り積ります。

私たちは感じたくない、受け入れたくないネガティブな感情をよくないもの、邪魔なものと考え意識の外や横に追いやろうとしたり、何とか抑え込もうとします。先ほど書いたように、感情は抑え込もうとすればするほど反発する性質があります。

感情とは形を持たない“力”であり“エネルギー”です。

見えなくても確かに存在する掴みどころのないもので、数値化も難しく視覚化もできません。それは経過と共に形を変えることもありますし(不安→不信→怒りや孤独など)、人を動かす大きな影響力もあります。以前【感情は感染する?】というコラムでも書きました。

感情は何も他者に向けるだけではありません。上手くいかないことがあると不安になりますし、プレゼン前には緊張もするでしょう。大丈夫だと思っていたのに失敗すると、そんな自分に腹が立つこともあります。

ポジティブな感情も受け入れたくないネガティブな感情も共にエネルギーで、表出しやすい/表出しにくいだけの差です。

言葉にしなくても感情は伝わりますよね。険しい表情をしていれば怒りや不快感だとわかりますし、ニコニコしていれば「いいことでもあったのかな」とわかります。

そう、感情はあなたがあなた自身を知るため、他者があなたを知るための大切なノンバーバルコミュニケーションでもあるのです。

ネガティブな感情にフタをせず、ありのままを受容していくのは怖くもあり不安でもあるものです。その恐怖から感情に抗ったり見て見ぬフリをしたり、何とか収まらないかと気を紛らわせてみたり・・・。

マインドフルネス、聞いたことがあると思います。『今ここ』に意識を集中し、あらゆることを感じ、ありのままを受け入れていく一つのストレスマネジメント方法です。

いつも口だけで有言不実行な同僚にイライラする→自分は今とてもイライラしている、を意識します(イライラの原因を追求するのではありません)。→ただただ「ああ、自分は今とてもイライラしているんだな」と自身の感情に向き合い、感情を把握するだけです。

それが“あるがまま”です。

「イライラしちゃいけない」と自分の感情を否定することも、「イライラするのは自分の心が狭くて余裕がないからだ」と分析してもいけません。

受容するというのは、そもそも“受容する”ことがどういうことかを知らなくてはできません。

どんな感情もジャッジせず、目も背けず、そのままの状態で取り出すイメージです。

今、怒っている。今、嬉しいと感じている。今、妬んでいる。今、悲しい気持ち・・・

自分を知るために、感情に振り回されないために感情を解放する練習をしてみると、少しだけ自分がラクになります。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

バウンダリーとは?【3】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

最終回となる今回は、バウンダリーを引くために意識したいこと、ぜひやってみてほしいことをお話しします。

難しいことではありません。

まずは自分の境界線を意識してみることです。他者とのバウンダリーはその関係性や距離でも違うものですから。

身体的なバウンダリーで考えると一番わかりやすいと思います。冷め切った間柄でなければ夫婦間や恋人同士が手を繋いだりハグし合ってもお互いに不快感や嫌悪感はありませんよね。

ならば、職場の上司から手を握られたらどうでしょうか?お隣の奥様にハグされたら?行きつけのコンビニスタッフならどうですか?

はっきり「嫌だ、やめてほしい」と感じ、ズカズカとバウンダリーオーバーでパーソナルスペースに踏み込まれたと不快になりませんか?

それが身体的バウンダリー(境界線)です。

距離のある付き合い方をしている間柄の他者にパーソナルスペースに踏み込まれると居心地の悪さや嫌悪感、不快感を感じると思います。

自分と他者との心的境界線も同じです。

会社の同僚と何十年も付き合いのある親友とも呼べる人では、個人的な話をどこまでするかを無意識に線引きしていませんか?

この無意識を意識的におこなうためには、

自分のニーズ(気持ち/感情/意思)を意識し、それを大切にすると決める。

“決める”のはあなたの意志です。自分の心的境界線を守りたい、守る!と自分に言い聞かせる覚悟でもありますし、何より自分の意思や気持ちを優先に考える(押し通す、ではありません)権利が誰にでもあるのです。

自分が望んでもいないのにバウンダリーオーバーされていても断れない人は、“自分より他者”を優先しています。

確かに仕事ではプライベート以上に空気を読むことを求められるのが日本の風潮ですが、自分の感情や意思を主張することはワガママや自分勝手ではありません。

こう書くと、拡大解釈して自分の意思や気持ちを何がなんでも押し通そうとする人が一定数出てくるのが悩ましいところなのですが・・・しかし、それが悪いわけではないのです。後に話しますが“主張の仕方”にコツがいるのです。

不安や恐れの感情を解放する→頼まれ事を断れない、他者に自分のことまで決められてしまう、良い顔をしてしまう、我慢ばかりする・・・。

これらの心理背景には、

  • 関係が悪くなる。
  • 嫌われる。
  • 怒られる。
  • 使えない、と思われる。
  • コミュニティで居心地が悪くなる。
  • 評価が下がる。
  • 相手が困る(困るだろうと思っている)。

など、いわゆる忖度する自分、空気を読む自分がいるはずです。

アサーションを身につける。

前記の“主張の仕方のコツ”の部分です。

アサーション→ https://www.m-idea-l.com/2019/10/06/

アサーションを使って自分のNOを伝えられると相手に配慮した伝え方になります。

断る理由→断る→代替案の提示

これを職場で休日出勤を頼まれた場合と居住地域の地区役員を頼まれた場合で考えてみます。

<職場>

「申し訳ありません、その日は以前から両親の病院に付き添う約束をしておりまして」→「ですので、休日出勤はできかねます」→「土曜日は難しいのですが前日の金曜日の業務後におこなう、というのはどうでしょうか?」

<地区役員>

「(例えば)体の弱い子供がいて/遠くに住む両親の介護が/出張の多い仕事で」→「お引き受けすることが難しです」→「地区役員は無理ですが、休日朝からの全体清掃や夜間見回りなど私ができることは協力させていただきたいと考えています」

闇雲に自分の主張(NO)を伝えるのではなく、代替案により歩み寄り、相手の考えも尊重する、そう考えるとNOも言いやすくなりませんか?

自分にとってのバウンダリーを知り意識を向けてみることで、少しでも人間関係のストレスが少なくなるといいですね。

<運営会社:Jiyuuku Inc.