うつ 病【1】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

お盆休みが終わり、8月も後半になりました。お盆休みは生憎台風が近畿地方に上陸し新幹線が大混乱となりました。

さて、お盆明けのコラムは2回にわたって『うつ病』について書いていこうと思います。ポピュラーと言っては言葉が悪いですが、今や日常的によく聞く言葉ではないでしょうか。

通勤時など、よく利用する路線がしばしば遅延します。その理由の一つが人身事故と言われる“飛び込み自殺”です。電車に飛び込むという手段ではなくても、悲しいことに私の周りでも何人もの友人が大切な人を自殺で亡くしています。

今回は自殺の引き金として一番多いとされる『鬱(うつ)』について、その原因や症状についてお話ししたいと思います。

うつ病の原因は人の数だけありますが、決して心の弱さから発症する病気ではない、ということをまず知っておいてほしいと思います。根性論で「心が弱いから」「気にしなければ大丈夫」「気合で乗り切れる」などとのたまう人がいますが・・・ぜひ、鬱になってどれだけ辛いのかを、じっくり味わった後で同じことを言ってほしいものです。

気合で乗り切れたのだとすると、それは鬱ではありません。日常的によくあるただの気分の落ち込みです。寝て美味しいものを食べたら復活する程度の気持ちの疲れだった、ということです。

話は戻りますが、うつ病は本人の物事に対する受け止め方や周りの環境、ストレスなど複数の要因が複雑に絡み合って引き起こされます。

急激な環境変化(就職/転職/家族の不幸など)や強いストレス(望まない人事/いじめ/パワハラ・セクハラ/持病の悪化など)に直面して心身が疲れている状態が持続すると発症のトリガーになります。意外かもしれませんが、昇進や結婚などポジティブなはずの出来事がきっかけで発症することもあります。これは、嬉しく好ましい出来事も“ストレス”であることの表れです。

うつ病はさまざまな症状がメンタルや身体に表れます。

心の不調としては、

  • 憂鬱な気持ち。
  • イライラする。
  • 焦燥感がある。
  • やる気がない。
  • 今まで楽しかったことも楽しく感じない。
  • 感情が平坦になった気がする。
  • ネガティブな考えが繰り返し浮かび抜け出せない。
  • 自分を責める。
  • 自殺を何度も考えてしまう。
  • 無気力になる。

身体の不調としては、

  • 眠れない。
  • 眠った気がしない。
  • 背中や肩が痛む。
  • 頭痛や腹痛。
  • 食欲減退。
  • 性欲減退。
  • 体のダルさや重さ。
  • 疲れやすい。
  • 体重減少。

などです。

鬱状態は心身の十分な休養や環境見直し、投薬などで時間の経過とともにアップダウンを繰り返しながら落ち着いていくケースが多いので、焦りや不安を上手くコントロールしながら気長に治療を続けることが何より大切です。

また、このような状態の時には普段よりマイナス思考が強いので、大事な決断(就職/離職/結婚/離婚/転居など)は先送りし、落ち着いてから考えるようにしましょう。

治療は薬と認知行動療法を主軸におこなわれます。特に認知行動療法や対人関係療法は始めてすぐに満足する結果は表れないので、治療には時間がかかることを理解してほしいと思います。

鬱状態の時は本人が辛いのはもちろん、周りでサポートする人もなかなか大変です。次回はどのようなサポートをしていけばよいのかお話ししようと思います。

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拝啓 新社会人の皆さん、如何お過ごしですか?

メンタル・イデア・ラボ、AEのスミです。

この4月に晴れて社会人になった皆さん、如何お過ごしですか?

研修中の人、研修も終わりそれぞれの部署に配属された人などさまざまだと思います。社会人になる前(私も含め)、つまり小中高大においての人間関係は極めて年齢の近い人だけの関係だったと思います。

会社という組織に入ると、最初こそ同期(同年代)と一緒に研修を受け、学校時代の延長のような気分だったのではないでしょうか。それが各部署にそれぞれ配属されると、環境は一変します。同期はほぼおらず、先輩、上司しかいません。年齢もさまざまです。ほぼ自分よりも年上ばかりの環境と言っていいでしょう。

そんな環境で緊張と不安が入り混じった状態の新入社員の人もいると思います。その中で皆が皆、優しい先輩とは限りません。業務に忙しそうにしている先輩に遠慮してみたり、言うことが変わったり、単純に取っ付きにくかったり、といろいろな要素が絡み合って、新人にとっては緊張の連続でそれだけでグッタリしている時期だろうと察します。

既に怒られた、という人もいるでしょう。萎縮してしまい出社が怖くなったりする時期でもあります。私もそういう時期がありました。昼休みに一人になれる時間にホッとしたり、緊張と不安を誤魔化しながら必死に頑張っていると思います。会社から帰宅して部屋着になって座った時、どれだけホッとしたことか、あの頃の自分を思い出します。

『そんな不安や緊張なんかないよ』という人はラッキーだと思います。たまたまあなたにとって恵まれた職場環境なのでしょう。新入社員をよく観察していると、4月当初は大体希望に満ちた笑顔が多いのですが、研修が終わり部署に配属されてくると、当初の笑顔は消えています。ちょっと疲れた顔をしています。覚えることも多くわからないことばかりなため、不安げにも見えます。入社3年程度の社員の顔は、会社や業務にも慣れ、力の抜きどころの要領も覚え、ある程度余裕のある顔付きになっています。社内の人間関係の構築もある程度できているのも大きいと思います。彼らはいわゆる学生気分が完全に抜け、社会人の顔付きといった感じでしょうか。

ブラック企業でないことが大前提ですが、私も当時、入社から3年目まではかなりメンタルが不安定な時期でした。この仕事は自分に向いていないんじゃないか、辞めたい、日曜日や連休最後の日が憂鬱だな、これでいいのか、など自問自答の日々だった記憶があります。そんな思いが入れ替わり立ち替わり巡っていました。その時出した結論は、

『とりあえず明日だけ頑張ろう』

というものでした。そうやって『とりあえず明日だけ』、その日が終わればまた『とりあえず明日だけ』という感じです。こんな生活がずっと続くのかと思ったら潰れそうな気がしたので、苦肉の策として『とりあえず明日だけ』は頑張ろう、明後日のことは今考えず明日また考えよう、という感じでした。つまりは騙し騙しですね(笑)

『とりあえず明日だけ頑張ろう』というのは今でも使っています。社会人になって長いですが、いいことばかりはなくツラいこともありますから、そういう時の気持ちの持ちようの一つとして、『とりあえず明日だけ頑張ろう』と思うようにしています。自分で自分から逃げたと後ろめたい気持ちに縛られないためでもあります。

置かれた環境によって感じることは人それぞれ違うと思いますが、今言えることは、一時的なネガティブな感情に惑わされ、流されてはダメだ、ということです。ネガティブな感情になることがダメ、と言っているわけではなく、その感情とどう向き合うかということです。

弊社の心理士である本城ハルに教わったことですが、人に言えるような大したことでなくていいから、寝る前などリラックスしている時に、3つ程度『今日の自分を自分で褒めてやる』というものです。どういうことかというと、今日も遅刻せずに出社した、昨日教わったことが忘れずにできた、など些細なことでも構わないから自分で自分を褒めるということです。私は最近『今日請求書を出した』『今日洗濯した』『缶コーヒー飲むのを我慢した』自分を褒めました(笑)誰にも言う必要がないのだから、どんな小さなことでも、人には当たり前と思われることでもいいのです。こうしたことを毎日繰り返していると自己肯定感が下がりにくくなると言われています。

ネガティブな感情は生きている以上、いつでも抱く感情ですから、そういう感情を否定していてはメンタルが疲れてしまいます。ネガティブ感情を受け入れ、それとどう向き合うか、それが自分の人生を大切にすることに繋がるのかな、と思います。

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