組織のメンタルヘルスについて考える【2】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

前回から引き続き組織のメンタルヘルスについてで、【2】では個人が直面するストレスについてからスタートします。

ストレスと聞くと“絶対悪!”と考えられがちですが、実は「喜ばしいことなのにストレス?」と思われることも大きなストレスになります。

具体的には、

  • 昇進/昇格/栄転
  • 結婚
  • 出産
  • 就職/転職
  • 起業/独立

などです。

ネガティブな方向に出やすいものだと、

  • 仕事の失敗
  • 就職/転職/転勤
  • 失業
  • 離婚
  • 家族の問題(健康・教育・介護など)
  • 災害
  • 事故/事件(巻き込まれるのはもちろん目撃するなども)

などです。

なぜ一般的に喜ばしいと言われることもストレスになるのでしょうか?

ライフステージの変化やライフイベントには新たな課題や環境の変化を伴うことが多く、それらに慣れるまでには時間がかかったり多少の労力が必要になるため、大なり小なりストレスがかかるものだからです。

人生一番の幸せなライフイベントと言われる結婚を例に考えてみます。多くは今までライフスタイルも違い、一定期間交際していても別々の生活を送っていた二人が結婚を機に共同生活を送ることになります(別居婚はまだ一般的ではないので除外します)。結婚(同居)とは、今まで離れていたことで見えづらかった生活スタイルの細々とした違いや、さまざまな価値観の相違が露わになるスタートと言えます。子供が生まれれば教育の考え方の違いを嫌でも味わうことになると思います。また姑、舅との新たな人間関係も発生します。

自分一人で誰に文句を言われるでもなく、何もかも自己決定し誰とも擦り合わせる必要がなかった生活上の些細なことも、パートナー(他者)との生活で見過ごせなくなると擦り合わせが必要になります。時に譲り面倒なことも感情的にならず、建設的に意見を交わし合い着地点を模索する・・・

案外ストレスと隣り合わせだと思いませんか?

個人のストレス耐性が低く、ソーシャルサポーター(公的機関や専門家に限らず信頼できる友人や親族なども含む)が整っていなければ、あっという間にメンタル不調を引き起こします。

<ストレス耐性+ソーシャルサポーター>を“袋”と例えると、袋が柔らかく大きければライフステージの変化やライフイベントによるストレスを袋に収めることができ、メンタル不調は起きにくくなりますが、この袋が固く小さいとストレスが溢れてしまい、メンタル不調を起こしやすくなります。

個人ができることはさまざまな経験を重ね、ストレス耐性を強くしていくことですが、組織としても従業員個々のソーシャルサポーターであることをまず認識し、ライフステージの変化や大きなライフイベントが重なった従業員に対し、サポート体制を整えておくことが重要になります。

誕生日休暇、アニバーサリー休暇などを導入している組織は従業員のソーシャルサポーターであることを認識しているかはわかりませんが、【休暇】以外のサポート体制も整えておくことも、これからの人事労務には重要だと考えます。

最終回では、脳とメンタル不調についてお話ししようと思います。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

組織のメンタルヘルスについて考える【1】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

今回から3回にわたり、組織のメンタルヘルスについてお話しします。

なぜ組織でのメンタルヘルス対策は必要なのでしょうか?

  • リスクマネジメント
  • 生産性
  • コンプライアンス

この3点になります。

鬱で離職者や自殺者などメンタル不調者が出ると、労災請求や民事訴訟に発展する可能性があります。これらは実際にコストが発生します。そして何より長年培ってきた企業あるいはブランドのイメージダウンに繋がり、本来の業務ではない部分での労力が必要になってきます。社会的信用の失墜も免れません。

メンタル不調者が出ることで個人はもちろん、その部署、あるいは企業全体の生産性が下がります。休職者や離職者が増えることで業務は滞り、そのしわ寄せは残っている従業員が負うことになります。当然不満が溜まると職場のムードは悪くなり、人間関係もギスギスしたものになりますし、オーバーワークや人間関係の悪化から次のメンタル不調者が出る可能性が高まり、さらに休職者や離職者を生むという悪循環に陥ります。これでは生産性が下がらないわけがありません。

ストレスがメンタルの不調を引き起こす一番大きな要因となりますが、残念ながらストレスがまったくない人はいません。生きている限り、大なり小なり付きまとうものと言って異を唱える人はいないと思います。

同じ出来事があってもストレス耐性には個人差があり、ソーシャルサポートのあるなしでもストレス反応の強さは変化します。また、その日その時の気分によってもストレス反応は変化する実にデリケートな変数がストレスです。

※参考コラム:アンガーマネジメント【1】

私たちは私生活や職場など外的影響によりストレス反応を起こします。緊張状態や嫌なことで動悸がしたり、胃が痛くなったり冷や汗をかいたことはありませんか?人によっては下痢もあるかもしれません。これがストレス反応です。

うつ病と一括りにされますが、ここで典型的なうつ病と近年目立つようになってきた新型うつ病について少し説明しようと思います。

典型的なうつ病は責任感が強く目標達成に努力を惜しまない真面目なタイプがなりやすいのですが、新型うつ病の場合、困難から逃避する性格の人がなりやすいと言われています。

より具体的には“元々あまり仕事熱心ではない”、“自立心や責任感に乏しい”、“役割から逃避しやすい”タイプで、自己愛が強く社会性が未熟、他責(他罰)傾向が強く過度な自己尊重、自己評価が高すぎる人に多く見られます。

また、一般的に典型的なうつ病の人は周りから勧められやっと受診、休養するのに対し、新型うつ病の人は積極的に医療機関を探して受診します。仕事を休むことに躊躇いがなく、すぐに診断書を提出します。典型的なうつ病が自責に向かうのに対し、新型うつ病は他責的です。平日は倦怠感など身体症状に見舞われますが、休みになると元気に遊びに行く、これが特徴かもしれません。

組織にメンタルヘルスに戻ります。組織のメンタルヘルスにおいてのストレスとは、

プレッシャーや対応困難な事案にぶつかった時に生まれる感情的な反応

と位置付けます。

よく「上司(あるいは先輩・同僚)がストレスの元凶だ」というのを聞きます。上司、先輩、同僚の言動にムカつき、「許せない!」とイキり立った時にほとんどの人は「ストレスだ」と感じると思います。しかし実はこれは自身の「許せない!」という怒りの感情により自分が振り回されていること、そしてそれこそが【ストレス】の正体なのです。

小さなイライラ、モヤモヤ一つひとつでは大したストレスではないかもしれませんが、積み重なっていくとストレス反応が増え、メンタル不調に繋がっていきます。自分の中にある小さなイライラ、モヤモヤを書き出し視覚化し、一度整理してみるとよいと思います。

【2】では、個人のメンタル不調がどのように組織へ影響するのか?からスタートします。

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