機能不全家族【2】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

7月最後のコラムからの続きで、機能不全家族の具体的な例をお話しします。

その前に機能不全家族の主な特徴はというと、

  • 食事や睡眠など、生きるために必要な欲求を満たせない。
  • 物理的/精神的に常に安心して過ごせない(心理的安全性が担保されていない)。
  • 人格/存在を否定される。
  • 周囲(子供の場合は養育者)から意に沿わない過剰な期待がある。

などなど、書いているだけで胸が痛くなる話です。

思春期反抗期で、私に対し自分の意思を通そうと真っ向からぶつかってきて、しかも理不尽に親に八つ当たりしまくれる息子は、少なくとも抑圧され親にコントロールされていないことだけは確かです。

それでは細かく見ていきましょう。

●親の期待に沿った時だけ褒めますが、親に一貫性がなくその時の感情次第で同じことをしても(例えばテストで良い点を取った、嫌いなおかずを頑張って食べたなど)褒める時と褒めない時がある。

●同級生、兄弟姉妹と比較する(親の言うことをきく/成績やできること・できないことなど)。→「あなたは何をやっても下手」「どうせまた失敗する」「○○さんはできるのに(ため息)」「こんなことくらいできないクズ」

●子供の前で日常的に互いを否定するような暴言、また怒鳴ったり暴力を伴う夫婦喧嘩をする。

●子供を思いどおりにコントロールしようとする(友人関係への口出し/子供の意思や考えを尊重せず、親が何でも決める)。

●過干渉:友人関係や学校生活のことを何でも逐一知りたがり、把握していなくては気が済まず、口出し/指図、命令したがる。口癖は「あなたのためを思って」です。

●人格や存在そのものを否定するような暴言がある。→「あなたなんかいなくなればいい」「いる意味ない」「あなたなんか産まなければよかった」「死ね(死んでいいよ)」「生きている価値ない」など。

あらゆるハラスメントに言えることですが、特に家庭内でおこなわれる子供やパートナーに対するハラスメントは内側から声を上げなければ表面化することすらなく、当事者だけでは解決が難しいケースがほとんどです。

立場(役職)が上だから、働いているから、給料が高いから、年上だから、親だから、男だから・・・どのような場合でも他者の人権を尊重せず、人格を否定し踏みにじることは許されることではありません。普段はこのようなことは誰もが理解していると思いますが、現実は案外横行しています。

特に家庭内においては赤の他人ではない関係性だけに何も意識せず、無邪気に(夫・妻・子供の)人格を否定し踏みにじる言動を言いたい放題なのではないでしょうか。

意思や感情、行動を尊重されること(オールイエスという意味ではありません)で、自己肯定感は育ちます。

何をしても叱らず褒めるだけの育児も、自己肯定感が尊大化したり妙な自己万能感を持つ自己愛を拗らせた人(自己愛性パーソナリティ障害)に成長してしまうことがあります。

本当に養育者の役割、正常に機能する家族の役割は重要で大切なのだと思います。

8月15日火曜日のコラムは夏季休業のため休載します。8月20日日曜日より掲載します。

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