組織における心理的安全性とは

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

【心理的安全性】
最近よく聞くようになりましたね。

今回は心理的安全性を組織という視点から考えてみます。

“心理的安全性”という言葉にどのようなイメージを持っていますか?

優しさや思いやりなど何となく心地良く耳障りが良いイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
組織だと“提案が通りやすい”、“皆が話をちゃんと聞いてくれる”あたりをイメージする人が多いと思います。

イメージ先行で組織における心理的安全性の本当の意味を誤解している人もいるようなので今回改めて話をしようと思います。

改めて聞きます。

あなたが考える心理的安全性とはどのようなものですか?

何でも肯定的に受け止めてくれる居心地の良い環境、風通しが良く、皆が仲良く気持ち良く仕事ができる環境・・・。

どちらも正しい認識ではありません。

確かに、“気持ち良く仕事ができる”ことは大切だと思いますが、会社(組織)は仲良しクラブではありません。
もっと言えば、みんなで仲良く仕事をすることが目的ではありません。

心理的安全性が高い組織とは、“他者と意見や考えが違う時でも、誰に忖度することなく率直に意見が述べられる場”と定義できます。

実際、組織にはさまざまな年齢のさまざまな立場の人がいます。
現実で考えてみましょう。

あなたがやる気はあってもまだキャリアも浅く若手の立場だとして、自分よりも遥かに年齢もキャリアも上の人に対し「それは良い判断ではないと思います。なぜならば~」と、何の躊躇もなく自分の考えを発言できるでしょうか。

仲の良い先輩、可愛がってくれている上司が相手ではなく、あなたに対し批判的な人が相手であったとしても。

また、あなたが逆の立場であった時にそれを言われて嫌な気持ちになったり、その場が居心地悪くなるようなことはありませんか?
抵抗なくナチュラルに他者の意見に耳を傾けることができますか。

このように、心理的安全性が高く、自分の考えを率直に発言できる場が誰にとってもいつでも居心地が良い場であるとは限らないのです。

むしろ、心理的安全性が高く誰もが率直な意見を交わしやすい場というのは、居心地が悪くなる可能性もある手厳しい場でもあるということです。

馴れ合いと対極にあると言ってもいいかもしれませんね。

反対意見を述べる時にこそ考えなくてはいけないのが、“アサーティブである”というとです。反対意見≠喧嘩なので、喧嘩を売るではありません(笑)

アサーションスキルを身につけている組織では意見のぶつかり合いがあってもヒヤヒヤせずに見ていられますが、アサーションスキルがないと一気に場が硬直し空気が凍りつく場面を見てきました。

心理的安全性を担保するために、組織全体でアサーションに取り組んでいくことも重要だと考えています。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

アサーションのさまざまな手法【2】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

早速ですが前回に引き続き、4つのステップについてお話しします。

  • Describe(描写する)

まず解決しよう、したいと考えている課題に対し、相手の現状や行動を客観的に描写した上で、“事実のみ”を相手に伝えます。事実のみを伝えるのが目的ですから、そこに自分の感情や考えを含めず、また憶測で話を進めないことが大切です。自分の感情や考え、憶測を含むと、相手に正しい情報が伝わりにくいというデメリットがあります。

  • Express(説明する)

Expressでは描写した内容に対し、自分の考えや意見、感じていることを伝えます。素直に自分の考えや感じたことを伝えていくわけですが、考えや感情を押し付けるような表現をしないことを心がけます。相手を否定したり攻撃的な表現にならないように意識し、注意することが重要になります。

  • Suggest(提案する)

ここではDescribe、Expressからの流れで、相手に対し課題解決するためのアイデアや代替案などを提案します。それと同時に、相手に対応してもらいたいことや承諾してもらいたいことを“具体的に”伝えます。あくまで提案なので、強制したり命令するようなニュアンスは絶対に含めないことが一番大切です。

  • Choose(選択する)

相手がこちら側の提案を受け入れた場合、受け入れなかった場合、それぞれの場合の結果や選択肢を伝えます。こちらの提案がすべて受け入れられるのがベストですが、ビジネスシーンにおいてそれは稀ではないでしょうか。ExpressとSuggestを何度か行ったり来たりするかもしれないことを踏まえ、プランはいくつか用意しておくと思いますが、そこにも落とし穴が存在します。

互いの思惑を擦り合わせる時に“何とか受けてほしい”側と“条件さえ合えば”の側に分かれます。よりイライラしやすいのは“受けてほしい”側なので、話をするうちにその焦りやイライラが雰囲気として伝わってしまうと(感情を含めた話し方になってしまう)、どれだけDESC法に則って話をしていても、まったく意味を成しません。

人は自分に対し“丁寧に”“誠実に”“素直に”話をしてくれている人に好感を持ちます。口に出さないノンバーバルな部分にも気を配り、相手に対し一挙手一投足向き合っていくその先に、DESC法が活かされてくるのだと考えています。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

アサーションのさまざまな手法【1】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

年明け最初の私のコラムはアサーションについてです。

人間関係をスムーズに構築し持続させていくため(相互理解にも役立ちます)のコミュニケーションスキルであるアサーションには、プライベートで使いやすいものからビジネスに有効なものまで、いくつかの技法があります。

今回はビジネスに有効な【DESC法】を説明していきます。

DESC法は他者を不快にせず自分の伝えたいことを伝え、相手に納得感を持たせるコミュニケーション技法で、アメリカの心理学者、ゴードン・バウワーにより提唱されました。

  • Describe:描写する
  • Express:説明する
  • Suggest:提案する
  • Choose:選択する

の頭文字を取り、DESC法と呼びます。

D→E→S→Cの順にコミュニケーションを展開させ、納得性の高い結果を導いていくスキルなので、特にビジネスにおいて有効なアサーションスキルと言えます。

【相手を思いやりながら自分の意見を伝える】というアサーションの基本があるのはもちろんです。

DESC法はアサーションスキルを体系的にまとめ、“D”“E”“S”“C”の4つのステップに分類したもので、このステップでコミュニケーションを進めることにより、有効な意思伝達をおこない相手の納得感を高めます。

次回は4つのステップからお話しします。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

連載:アサーション【4】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

アサーションの連載最終回は、アサーティブなコミュニケーションを心がけるために幾つかワークをやってみましょう。

【自分の気持ちに気づく1】

気持ちを表す言葉をできるだけ多く書き出してみましょう。

例)楽しい、嬉しい、悲しい など

【自分の気持ちに気づく2】

次の( )の中を自分と向き合いながら埋めてみましょう。

  • 私は(  )とイラッとする。
  • 私は(  )と楽しい気持ちになる。
  • 私は(  )と悲しい気持ちになる。
  • 私は(  )に喜びを感じる。
  • 私は怒ると(  )になります。
  • 私は悲しいと(  )になります。
  • 私は嬉しいと(  )になります。

今まででアサーションに必要なことを学んできました。アサーティブには大きな柱があります。それは、

【誠実】【率直】【対等】【選択と自己決定】

です。

また、アサーティブになるために実践、意識しておくと良いこともあります。

自己決定/感情表現/自己責任/断る/頼む/褒める/傾聴できる/率直に意見が言える/交渉する/自己実現/褒め言葉を受け取る/建設的な批判/新しいことに挑戦する勇気/正当な批判を受け入れられる/不当な批判に対し、それを否定し自分の意見や気持ちを伝えられる/長所短所も含め自分を好きでいられる などです。

それぞれの表現の違いから心理パターンを考えていきましょう。

アサーティブな表現
自己決定→相手に表現(気持ち/意見)→それに対し相手がYES、NO→YESの場合「ありがとう」と感謝の気持ち→NOの場合→双方が譲歩、歩み寄りなど擦り合わせをして提案

●アグレッシブな表現
自己決定→相手に表現→思いどおりになる→自分は満足だがイマイチ後味が悪い(後悔する)→相手から嫌われたり敬遠される→孤立する

●ノンアサーティブな表現
不快、不愉快→欲求不満→相手に対し怒りが蓄積(相手を恨む、誰かに八つ当たりする)→キレる、もしくは我慢する→自分のせいと考え、自分を責める→鬱になる

最初は意識しないとアサーティブになれないかもしれませんし、特定の人に対してだけアサーティブになれない場合もあるかもしれません。

自分の中に無意識に「負けたくない」「認めることは負けだ」「謝ったら負け」「言い負かせたい」「自分が正しい」という気持ちがあると爽やかな表現はできません。

そのためにワークで自分を知る“自己理解”が不可欠です。

他者理解をする前に自己理解。

今一度、案外知らない自分自身としっかり向き合い、自分の一番の理解者になってみませんか。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

連載:アサーション【2】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

世間はお盆休みも終わり、今週は少し疲れた方も多いと思います。

さて、2回目となる今回は、“自分の考えや気持ちを伝えるということ/相手を理解するということ”について説明します。

ご存じのとおり、コミュニケーションは伝え手と受け手がいることで成立します。受け手がいなければただの独り言ですから。

自分の考えや気持ちを言葉(文字)にして、相手に表現(伝える)し、受け取った相手がそれに対して応える(答える)ことで、相手の考えや気持ちを聴いて(読んで)受け止めますよね。

その後、その事柄に関してズレや誤解が生じていないのかを互いに確認し合い、ズレや誤解があるようであれば、それらを小さくしたり無くすための調整を再度コミュニケーションという手段を使って繰り返していきます。

ここで“自分を伝えるということ”で理解しておかなくてはいけない大切なことがあります。

自分が伝えたことは必ずしも相手に正確に伝わるとは限らない。 ←どんなに長く深い付き合いがあったとしても、自分と他者には価値観や認知の違いがあるもの、察してほしいはただの甘え以外の何ものでもありません。 職場であれば、上司、同僚、後輩、取引先と個人的な深い付き合いはないことが多いので、なおさらと思ったほうがよいでしょう。

より正確に伝えるためには、両者の間に生まれる誤解やズレを埋める必要があり何度もコミュニケーションを繰り返し、わかり合おうとするのがコミュニケーションの“本質”。

自分の思い、考え、気持ちを伝えるには“自分の中にある気持ちや考えをなるべく正確に”取り上げ←ここで自己理解も必要になります。感情的にならず正確に伝える努力をし、明確な自己表現をする。

ことです。

同じように、“相手を理解するということ”についても覚えておかなくてはいけない大切なことがあります。

人の数だけ理解の枠組みがあり、同じ体験をしても言葉の意味付けの違いによって感じ方が変わる。

人は十人十色、皆がそれぞれ異なる準拠枠を持っているもので、理解の方法や枠組みは違うもの、準拠枠が異なれば同じ言葉や出来事であっても感じ方や理解の仕方は異なる。

ということです。普段わかっているつもりでも、案外忘れてしまったり、無意識に自分の準拠枠で相手を見てしまう、あるいは当てはめてしまっていることはありませんか。特に会議などオフィシャルな場での発言は案外伝わっていなかったり、メンバーそれぞれの準拠枠で捉えられていることが多々あります。

【個人対個人】であれば伝わりやすいですが、会議など【個人対複数】となると、人によって準拠枠が異なりますからなかなか伝わりづらいものです。

次回は具体的なアサーションスキルについてお話しします。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

連載:アサーション【1】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

導入でもお話ししまたが、まず4つのコミュニケーションパターンの説明から入ります。

【ノン・アサーティブ】

納得がいかなくても相手の気持ちや考えを最優先して「わかった/はい」というタイプで、相手は尊重するが自分を大切にしない自己表現。図②

人間関係で起こった問題を「私が悪いからだ」「私のせいだ」と自責に向きやすく「仕方ない・・・」と諦める人に多く見られます。

【アグレッシブ】

自分は大切にしても他者を尊重しない自己表現。図①

他者との関係において勝ち負けで考える傾向が高いので「自分は間違っていない/相手より優れている」と無意識に相手より優位な立場に立とうとすることから、威圧的な態度や押し付けるような一方的な言動が目立つため、反感を買いやすく主張が受け入れてもらいにくくなります。上司になればなるほど気をつけたいですね。

【パッシブ・アグレッシブ】

アグレッシブと似ていますが、作為的なタイプ。図③

納得がいかず不満があっても本人の前ではっきりと主張はせず、何とか察してもらおうとする面倒なタイプです。「自分だけた悪いわけじゃない、悪いのは相手も同じだ(この気持ちのほうが強い)」と考えるので表面上は冷静に見えても、怒りを溜め込んでいます。

【アサーティブ】

自分の気持ちや考えを大切にしますが、同時に相手の気持ちや考えも尊重する自他尊重のコミュニケーションパターン。図④

自分の言いたいことをそのまま伝えるのではなく、相手の考えや立場を尊重し、受け取り方まで考え、その場にふさわしい方法で表現しようとします。時として、意見の食い違いが起こることはありますが、譲歩し合いながら根気よく意見を出し合おうと努力します。

下図で理解してみましょう。

次回は“自分の考えや気持ちを伝える”ということについて、アサーティブになるためのヒントや相手を理解するということはどういうことか?に話を進めます。

8月15日月曜日は夏季休業のため、コラムは休載します。8月20日土曜日から掲載します。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

連載:アサーション【導入】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

今回から5回連載でコミュニケーションスキルであるアサーションについて、じっくり取り組んでいきます。

アサーション、皆さんも言葉くらいは聞いたことがあると思います。

アサーション、アサーティブを直訳すると【主張・断言・断定的】となり、これだとかなり一方的に自己主張するかのように聞こえてしまいます。とても人間関係をまろやかにするコミュニケーションスキルとは思えませんよね(笑)

※アサーション:アメリカが発祥で個人主義の国から生まれたためか、自己主張することの大切さが重んじられた結果、日本語に直訳すると上記のようになったのかもしれません。

ですから、あえてわざわざ日本語にせず“アサーション”“アサーティブ”のような使い方をします。日本語に意訳するとすれば、“さわやかな自己表現”になります。

さわやかな・・・?これまた抽象的で掴みどころのない・・・と思いませんか?私も初めて聞いた時はイメージしにくく頭の中が『?』だらけでした。

アサーションとは、

自分も他者も尊重した自己表現(コミュニケーション)

のことで、

自分の考えや気持ち、欲求を正直に且つ率直に、その場の雰囲気や状況に合った適切な表現で伝えること

になります。

コミュニケーションスキルとは言いましたが、感情マネジメントとしての側面もあることから、今は(公立の)小学校から取り組み始めており、現在高校生である息子も小学校で教わっていました。もちろん企業での講演、講習会や勉強会でも一番ニーズがあるのがアサーションです。

ではなぜ、そこまでアサーションが重要視されるようになったのでしょうか。

人間が生きていく中で常に直面し、一番ストレスを感じやすいのが人間関係と言われています。学校、職場、恋人や夫婦に友人関係、どの場面でも他者との関わりは避けて通れません。関わるというのは、そこにコミュニケーションが生まれるということになります。プライベートではある程度、自分がお付き合いしたい人を取捨選択できますが、学校や職場ではそうもいきません。今ではパワハラやモラハラが社会問題になっていることも背景にあると思われます。

そこで良好な人間関係を築いていくためにアサーティブな表現やアサーションが有効になってきます。

しかし、相手や状況によっては言いたいことが言えなかったり、言い方がわからなかったり、言いたいことをそのまま伝えて相手を不愉快にしてしまったり、怒らせたり傷つけてしまったり・・・これではどのような人間関係でもヒビを入れていまうことになりかねません。

アサーションでは自己表現の仕方を4つのタイプに分けて考えていきます。

  • ノン・アサーティブ
  • アグレッシブ
  • パッシブ・アグレッシブ
  • アサーティブ

それぞれの特徴を理解し区別できるようになること、そして自分のコミュニケーションパターンを知ることからスタートします。

次回から具体的に自己表現やコミュニケーションパターンについて、お話ししていこうと思います。

8月15日月曜日は夏季休業のため、コラムは休載します。8月20日土曜日から掲載します。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

バウンダリーとは?【3】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

最終回となる今回は、バウンダリーを引くために意識したいこと、ぜひやってみてほしいことをお話しします。

難しいことではありません。

まずは自分の境界線を意識してみることです。他者とのバウンダリーはその関係性や距離でも違うものですから。

身体的なバウンダリーで考えると一番わかりやすいと思います。冷め切った間柄でなければ夫婦間や恋人同士が手を繋いだりハグし合ってもお互いに不快感や嫌悪感はありませんよね。

ならば、職場の上司から手を握られたらどうでしょうか?お隣の奥様にハグされたら?行きつけのコンビニスタッフならどうですか?

はっきり「嫌だ、やめてほしい」と感じ、ズカズカとバウンダリーオーバーでパーソナルスペースに踏み込まれたと不快になりませんか?

それが身体的バウンダリー(境界線)です。

距離のある付き合い方をしている間柄の他者にパーソナルスペースに踏み込まれると居心地の悪さや嫌悪感、不快感を感じると思います。

自分と他者との心的境界線も同じです。

会社の同僚と何十年も付き合いのある親友とも呼べる人では、個人的な話をどこまでするかを無意識に線引きしていませんか?

この無意識を意識的におこなうためには、

自分のニーズ(気持ち/感情/意思)を意識し、それを大切にすると決める。

“決める”のはあなたの意志です。自分の心的境界線を守りたい、守る!と自分に言い聞かせる覚悟でもありますし、何より自分の意思や気持ちを優先に考える(押し通す、ではありません)権利が誰にでもあるのです。

自分が望んでもいないのにバウンダリーオーバーされていても断れない人は、“自分より他者”を優先しています。

確かに仕事ではプライベート以上に空気を読むことを求められるのが日本の風潮ですが、自分の感情や意思を主張することはワガママや自分勝手ではありません。

こう書くと、拡大解釈して自分の意思や気持ちを何がなんでも押し通そうとする人が一定数出てくるのが悩ましいところなのですが・・・しかし、それが悪いわけではないのです。後に話しますが“主張の仕方”にコツがいるのです。

不安や恐れの感情を解放する→頼まれ事を断れない、他者に自分のことまで決められてしまう、良い顔をしてしまう、我慢ばかりする・・・。

これらの心理背景には、

  • 関係が悪くなる。
  • 嫌われる。
  • 怒られる。
  • 使えない、と思われる。
  • コミュニティで居心地が悪くなる。
  • 評価が下がる。
  • 相手が困る(困るだろうと思っている)。

など、いわゆる忖度する自分、空気を読む自分がいるはずです。

アサーションを身につける。

前記の“主張の仕方のコツ”の部分です。

アサーション→ https://www.m-idea-l.com/2019/10/06/

アサーションを使って自分のNOを伝えられると相手に配慮した伝え方になります。

断る理由→断る→代替案の提示

これを職場で休日出勤を頼まれた場合と居住地域の地区役員を頼まれた場合で考えてみます。

<職場>

「申し訳ありません、その日は以前から両親の病院に付き添う約束をしておりまして」→「ですので、休日出勤はできかねます」→「土曜日は難しいのですが前日の金曜日の業務後におこなう、というのはどうでしょうか?」

<地区役員>

「(例えば)体の弱い子供がいて/遠くに住む両親の介護が/出張の多い仕事で」→「お引き受けすることが難しです」→「地区役員は無理ですが、休日朝からの全体清掃や夜間見回りなど私ができることは協力させていただきたいと考えています」

闇雲に自分の主張(NO)を伝えるのではなく、代替案により歩み寄り、相手の考えも尊重する、そう考えるとNOも言いやすくなりませんか?

自分にとってのバウンダリーを知り意識を向けてみることで、少しでも人間関係のストレスが少なくなるといいですね。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

よく聞くけど意味はまったく違う【自己肯定感】と【自己正当化】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

皆さんは【自己肯定感】【自己正当化】と聞くと、どのようなイメージを持ちますか?今回は混同されがちで、わかっているようでイマイチよくわかっていない自己肯定感と自己正当化についてお話ししたいと思います。

最近は子育てから企業研修、カウンセリングや学校カウンセリングの場面でも【自己肯定感】という言葉をよく聞くようになりました。

自己肯定感とは・・・自分の長所も短所も認めて、それを肯定的に受容することです。

「失敗したっていいんだもーん!」なんて軽くチャラいノリや開き直りではなく、プレゼンで失敗しても「自分は今の自分にできる精一杯で頑張った、結果は惨敗だったけど自分お疲れさま!」と思えること、これが自己肯定感です。つまり、

失敗してしまった自分、カッコ悪い自分、認めたくないドロドロした感情を燻らせる自分。そんな自分も「これも私の一部分」として、そのまま受容していく、これが【自己肯定感】です。

自己肯定感の高い人は、自分のマイナス面よりもプラス面に目を向けることができるという特徴もあります。自己肯定感は高過ぎても厄介ですが、低過ぎるとそれ以上に厄介です。

自己正当化とは・・・他者から否定されないように自分の行動などに正しいと(無理矢理にでも)理論付けをし、自分を受け入れられようとする行為です。

自己正当化をする人は他者からの否定を恐れ、嫌います。否定されることを避けるために、自分の意見は正しいのだと無理にでも理由付けをしたがります。

わかりやすい例だとセクハラ/パワハラがあります。

「今日のスカートはもっと短いほうが可愛いよ」という発言がセクハラに当たると訴えがあった時に「親しみを込めたつもりだった」「場を和ませようとして言った」という上司、いますよね。あくまでも親しみを込めた、あくまでも場を和ませようとした、ここには自分を正当化する気持ちがあり、非を認めていません。

わざわざ皆の前で失敗を挙げ、激しく叱咤するなども「パワハラに当たるのでは」と訴えがあった時に「彼のためを思って敢えて」「恥ずかしさをバネに成長してもらいたかった」などと非を認めず自己正当化します。

どちらもが“自己受容”という点では同じように見えますが、自己肯定感には自分の意思や意見がある自分視点なのに対し、自己正当化は他者視点のため自分の意見はありません。

前記のセクハラではスカートの短さと可愛さには何の根拠もなく業務にも関係ないはずです。場を和ませようとした、親しみを込めた、という“セクハラやらかした”理由を周囲に認めてもらうための勝手な自己正当化しかしていない、ということです。

先ほどの自己肯定感が低い人に特徴があったように、自己正当化する人にも特徴があります。

自己正当化する人は他者の評価を気にするので、自分が否定されることがないように自己正当化した意見を押し通そうとします。自己肯定感の高い人は他者の意見を受け止めながら自分の意見を伝えることができますが、自己正当化する人は他者の意見を受け入れられません。

話をしていて、自分正当化したがる人は自己肯定感が低い人に多いように感じます。

「屁理屈ばかり」「身勝手」な言い訳ばかりする人が周りにいると、かなり疲れますようね。否定されるかもしれない、と思うと怖くなって傷付かないために予防策として自己正当化してしまう人がいるのも事実です。

自他の認知の違いや自他境界を理解し、アサーションスキルやアンガーマネジメントを身につけることで気持ちよくコミュニケーションができるようになります。

企業研修や勉強会でもアサーション、アンガーマネジメントは人気があります。ただ人によって習得していくスピードは違います。

一生もののスキルですから途中で投げ出さず、ひとりひとりに合ったやり方とペースでじっくり取り組んでいけるよう、いつもプログラムを考えています。

もっとあたたかな人間関係を築いていきたいという表れなんだろうと私は受け取っています。

<運営会社:Jiyuuku Inc.

アサーション:自己表現

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

アサーションとは自分も他者も大切にした、やわらかな自己表現のことで、

コミュニケーションスキル

でもあります。まずどのような自己表現があるのかみていきましょう。

【アグレッシヴ・攻撃的自己表現】
私はOK、あなたはNOT OK(どうでもよい)。

【ノン・アサーティヴ・非主張的自己表現】
あなたはOK、私はNOT OK。

【アサーティヴな自己表現】
私もあなたもOK。

と3つのタイプに分かれます。

一つずつみていきましょう。

【アグレッシヴ・攻撃的自己表現】
①自分の意見、考え、気持ちははっきり言うが相手の意見、考え、気持ちは軽視、無視する。

②押し付けがましく相手に言うことを聞かせようとし、支配的。

③一方的な主張をし、相手の話を聞かない。

④感情的に罵ったり声を荒げる。

⑤他罰的で責任転嫁する。
【ノン・アサーティヴ】
①相手の意見、考え、気持ちばかりを窺い、相手に合わせる。

②自分の意見、考え、気持ちを表現しない。

③「ノー」と言えない。

④相手任せで諦めやすく消極的。

⑤ストレートに言わず遠回しな表現をする。

⑥他人本位で自己否定的。

⑦依存的、自己犠牲が強く卑屈になりがち。
【アサーティヴ】
①自分の意見、考え、気持ちを表現する時に、相手の気持ちにも十分配慮する。

②穏やかに主張でき、現実的な目標を追求する。

③自分にも相手にも素直であり、率直である。

④必要ならば譲歩、妥協してもよいと考えられる。

⑤積極的且つ歩み寄りの姿勢があり、自他協力的。

⑥自分の責任で行動。

アサーションに取り組む上で重要なポイントがあります。それは・・・。

自分には感情があり、自分の感情を大切にし表現してよい。 ➡︎ 自分は完璧な人間ではないが、人格を持った価値ある存在である、と認めること

自分と同様に、他者にも感情があり、相手からの「NO」や拒絶を受けるかもしれない覚悟を持つこと。

お互いに歩み寄って、お互いに納得がいく結論に向かおうとすること。

「いつでもアサーティヴであらねばならない」と考えないこと。➡︎ 自分の行動、考え、感情は自分自身で決めてよい。

他のコラムを挟みますが、次は具体的なアサーションの取り組み方について書いていこうと思います。