ストレス対処のための情動ラベリング【2】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

情動ラベリングには効果をあげるためのポイントが幾つかあります。2回目となる今回はそのポイントやコツをお話ししたいと思います。

①感情を表す言葉の語彙を増やしましょう。

例えば、ただ漠然と『モヤモヤする』よりも、言いたいことが伝わらないから『寂しい』や『やるせない』、頭じゃわかってるけど気持ちがついていかなくて『もどかしい』などです。

たくさんの感情を表すワードを知っていると、今の自分の感情に一番しっくりくる言葉が見つかりやすくなります。しっくり来る言葉で口に出す方がより効果が上がります。

怒りの感情を、子供がワガママばかり言って『腹が立つ』、いつも口だけでやってくれないご主人が『憎たらしい』など(笑)

感情を細分化してみる、次に自分の気持ちにしっくりくる言葉を探す。

②実際にモヤモヤし始めたら感情ラベリングをスタートしましょう。

「何にモヤモヤしてるのかな?(自分)」「何度言ってもわかってくれないから“怒ってる”のかな?(自分)」「いやいや言ったことを否定されることが負けたように感じて“悔しい”のかな?(自分)」と、自分に問いかけてみて下さい。

もう1人の自分が問いかけ、それを受けてあなた自身がより具体的に今の感情にしっくりピッタリはまる言葉を探していきます。それは一つとは限りません。まだ何か“モヤモヤ”が残っている時は他の感情を探してみましょう。“モヤモヤ”の背後には“怒り”や“悔しい”の他に“悲しい”という気持ちはありませんか?

感情ラベリングをやっている最中に浮かぶ様々な感情(感情を表す言葉)を、『そんなこと思う自分ってダメだな』『短気な自分って良くない』と、ジャッジしないことも大事なポイントです。

モヤモヤイライラしている自分にもイライラ・・・これはモヤモヤするのは、イライラするのは良くない(悪い)ことだという思い込みから発生します。

だから、何もジャッジしない、です。もちろん『イライラさせるアイツが悪い』も絶対にナシです。

③次にどんなモヤモヤ(怒り/もどかしさ等)なのかを、より詳細に感情に意識を向けてみましょう。

『もどかしくて足踏みしたくなる感じ』『頭が沸騰して耳から噴火しそう』のように。その感情は10段階でどのくらいですか?

「私はモヤモヤしてるなぁ。このモヤモヤは理解されないもどかしさから来てるっぽいぞ。怒り2割、もどかしさ8割くらいだ。そうだな、もどかしい色を表すと深緑にグレーが混じった感じ」のように観察し、口に出します。

全部口に出さなくていいんです。「私はもどかしい!だから怒ってる」と口に出す程度でかまいません。

情動ラベリングはマインドフルネスに通じています。今のありのままを感じ、ジャッジせずただ感じる。

慣れないうちは怒りは怒りのままかもしれません。『私は怒っている』それだけを何度か口に出すだけでも効果があります。

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ストレス対処のための情動ラベリング【1】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

ポジティブシンキングやネガティブな気持ちを無くそうだとか、世の中はやたらとポジティブ善に傾いている気がしませんか?

私たちはネガティブな感情(不安、不快、恐怖、怒り)を忌み嫌い避けようとしますが、実はそれが逆効果であることを案外知りません。

生きていれば楽観的(ノーテンキ?)にポジティブでいられない時も多いものですし、必ずしもネガティブ悪ではないのですが、何かと悪者扱いされてしまうネガティブ感情。

ただ、やはりネガティブな感情は気持ちを波立たせたり辛さを伴う時が多く、それが強いストレスになりますよね。ネガティブ塗れだと眠れなくなったり胃に穴が開いたり、ハゲ散らかしたりするのでそれなりの対処は必要だと思っています。

ネガティブ→ポジティブにはなれないまでも、せめてフラットに近い状態を保ちたいと誰もが思うはずです。

そのために効果的なのが“情動(感情)ラベリング”という方法です。

なぜ情動ラベリングが有効なのか、その理由ややり方をお話ししたいと思います。

感情ラベリングとは科学的に根拠があり効果が出ている手法であり、誰でも高度なテクニックいらずで簡単に始められることが特徴です。

認知行動療法や認知再構成法にはワークがあったりシートを使ったり書き出したりと準備が必要な時もありますが、感情ラベリングに必要なもの(?)はあなたの“感情”だけ。

手ぶらスタートできるわけです。まるでchoco ZAPみたいですね(笑)

今感じている不快、不安、恐怖、怒りといったネガティブな感情を認め(否定しない)言葉として口に出すことにより感情を司っている“扁桃体”とう脳の一部の活性を抑制する事ができるとわかっています。

口に出すと言ってもそれを目の前にいる人にぶつけたり、関係ない誰かに八つ当たりするのではなく、独り言のように口に出すだけ。

●自分のネガティブ感情を認め→言葉にして口に出す。

これが感情ラベリングです。

高度なテクニックは必要ありませんが、効果的に行うコツというものがありますので、次回は引き続き感情ラベリングのコツをお話ししたいと思います。

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