薬物乱用と依存症

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

音楽業界や芸能界の薬物汚染は今に始まったことではありませんが、近年、普通に暮らす主婦から真面目な学生にまで、さまざまな種類の薬物がじわじわと拡がる傾向にあります。

アルコール、ギャンブル、薬物、最近ではゲーム・・・とさまざまな依存症と名がつく

精神病(ここ重要)

があります。この中で、本人や家族の健康被害だけでなく社会的に影響を及ぼし、事件事故にも繋がる可能性が高い依存症の一つが薬物です。

薬物は厳しく法規制(覚醒剤、麻薬など法規制薬、危険ドラッグ)されており、法律に反した行為が一度でもあれば【乱用】になります。危険ドラッグは次々に新しいものが出現しては規制される・・・が繰り返され、イタチごっこが続いているのが現状です。

常習性があるなしに関わらず、【乱用】と見なされる背景には、薬物の高い依存性や耐性が関わってきます。また、未成年の飲酒、喫煙、指示された処方薬を指示どおりに飲まない(オーバードーズ:過剰摂取)など、ルールに反する行為も【乱用】になります。

薬物の場合だと、乱用の繰り返しの結果、徐々に薬物依存(自己コントロールが出来ずに止められない、強迫的使用)へと進行します。乱用の繰り返しが耐性・渇望→薬物入手のための探索行動に結び付き、身体的、精神的依存を強め、離脱が困難になっていくのです。

薬物依存症は薬物の薬理作用、個人的要因、社会的要因に家族要因などが複雑に重なり合うことにより発病すると言われ、性別、年齢、学歴、職業に関係なく、誰でも陥る可能性がある身近な病気です。

依存性薬物にはシンナーやラッカーなどの有機溶剤、覚醒剤や大麻、コカイン、危険ドラッグなどの薬物、ライターのガスやカセットコンロのガスを吸引、市販薬、医療機関の処方薬などがあります。

身近なところではチョコレートも実はそうなのですが、チョコレートを過剰摂取したところで痛むのは財布、身体的には肥満、糖尿病、ニキビだらけ、虫歯程度で、社会や他者への迷惑度は極めて低く、まして事件に発展することはないと言っていいでしょう。

薬物には薬理作用がもたらす『興奮』『幻覚』『覚醒』『鎮静』『抑制』があり、その作用を体験するためや薬物が体内から抜けていく苦痛(離脱症状)から逃れるために周期的に薬物を摂取せずにはいられなくなります。先に『渇望』と書きましたが、まさに渇望で、自分の意思ではコントロールできなくなるのが薬物依存症です。

乱用から依存症が進行していくと、依存症者の頭の中は『次にどうやって薬物を手に入れるか』だけに支配され、本来の正常な判断ができなくなります。その結果引き起こされるのが、

家族機能崩壊と社会機能低下

です。薬物を入手するために借金を繰り返し、窃盗にまで手を染める、時には死に至る重大な健康問題の発生など時間とともに問題は深刻化していきます。肝機能障害、脳の萎縮などは薬物を断っても二度と元に戻ることはありません。

友人に勧められた、安易な気持ちで、嫌なことが忘れられる、ストレス解消・・・などと“ついうっかり”手を出してしまうと、どっぷり取り込まれ、自力で抜け出すことができなくなるのが薬物の怖さで、「一度だけだし」「自分は大丈夫」「意志が強いからやめられる」が一切通用しない強い薬物作用が働き、『死んだほうがマシ』という凄まじい禁断症状、『手に入れるためならなんでもやってやる』という目的達成のための【渇望】に襲われます。

以前は、覚醒剤=注射使用、だったので“医療行為である注射を自分で自分に”という部分がストッパーになりやすかったのですが、今は形を変え罪悪感を薄め問題意識を持ちづらくなっているようです。これは覚醒剤に限らず、強い幻覚作用を引き起こすLSDも同じです。

ただ、形を変え罪悪感を持ちづらくなったとしても、犯罪に変わりはありませんし、作用も同じです。心身を蝕み正常な社会生活が送れなくなる点でも何ら変わりはありません。考えてみてください。簡単に離脱できるなら、これほど再犯が多いわけがありませんよね。犯罪の中でも再犯が多いのが薬物です。

1980年代にあったキャッチコピー、覚えている人もいるのではないでしょうか。

覚醒剤やめますか それとも人間やめますか(※)

大げさだと思うかもしれません。現実的に考えると、人間自体やめることは不可能で、人間が猿になることもシマウマになることもできませんから。この強烈で印象的なキャッチコピーにすべてが表されているのです。

(※)乱用防止・啓蒙として一定の意味がある一方で、薬物依存に陥った人の社会的排斥の風潮を生み、治療のキッカケを掴みにくくしている弊害も指摘されている。

失われる今までの社会生活や人間関係。失うものや時間の大きさ。今一度考える時期に来ているのではないでしょうか。

依存症:ゲーム障害

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

今回はさまざまな依存症について、あまり深くは踏み込まずサラッと書いていきます。依存症を引き起こす要因がさまざまであり、そこまで言及するとページがいくらあっても足りなくなってしまうからですが・・・。

さてW H O(世界保健機構)は2018年に“ゲーム障害”を国際疾病分類として正式採択し、2022年に発効されます。これがどういうことかというと、ギャンブル依存症やアルコール依存症、薬物依存症と同じ【精神疾患】に分類される、ということです。

往々にしてどんな依存症当事者も揃いも揃って「自分は◯◯依存症なんかじゃない!」と問題意識が低く認めないもので、困り果てた家族や周りの人が相談に見えたり、引っ張って連れて来られることになります。

アルコール依存症の家族の方はよく「お酒さえ飲まなければいい人」という言い方をされますが、言い方を換えれば「(問題を起こし他者に迷惑をかけるのに)お酒を止めないから困った人」と言えませんか?ここで間違ってほしくないのは【お酒そのものが悪い】わけではない、という点です。同じく【ゲーム】や【インターネット】【ギャンブル】そのものの存在が悪いのではなく、利用する側の【利用の仕方】に問題があるのです。

薬物は法律で厳しく取り締まられているので存在自体が【悪】になりますし、踏み越えると犯罪者になってしまうので、気持ちのブレーキが掛かりやすいのですが、アルコールやギャンブルはもちろん、ゲームやインターネットは取り締まる法律がありません。謂わば、社会的に他者にどれだけ迷惑をかけようと、本人の社会生活に支障が出て関わる人たちに困り感が出ようと、何も取り締まることはできないのです。

取り締まれないとはいえ、それが原因で反社会的行動を起こした結果、刑事罰になったケースはありますし、民事となったケースもあります。

一般家庭にパソコンが普及し、誰もがスマホを持ち、子供たちは携帯ゲーム機を持つ現代。新しく認定されたゲーム障害ですが、インターネットが身近になったこと、幼少期から気軽に携帯ゲーム機を買い与えられ、大人しくなるという理由で親側も安易にゲームに頼る、結果、どんどん費やす時間が増えることで、依存症の土台を作り上げていきます。

これらがゲーム依存症を激増させている原因とも言えます。

具体的にゲーム障害はどのような形で社会生活に支障が出るのでしょうか。子供ならば、癇癪を起こしやすい、やりたいことをやらなくてはいけないことより優先してしまうことで、生活習慣が乱れ、遅刻や欠席が増える、大人であれば、夜中までゲームをして生活習慣が乱れる、課金するようになれば歯止めが利かなくなる可能性、家庭であれば家庭でのコミュニケーションの減少、こうした社会生活上の問題が出てきます。

大人ですら止めづらいゲーム、楽しいことにすぐ夢中になる子供が依存しないわけがありません。依存するように“面白く”“止めづらい”ようにできているのがゲームです。一時期『反射神経が鍛えられる』という話がありましたが、そもそも親指だけ必死に使って、身体能力である反射神経が鍛えられるのか?と甚だ疑問です。

アルコールやギャンブルにも言えますが、依存症に陥っている人は自覚が乏しく、他者からたしなめられたり意見されたり、止められると、言い訳(「自分は違う」) → 逆ギレという行動パターンを取る人もいます。ゲームに関しても同じで“思いどおりにならない(させてもらえない)こと”への苛立ちから、言い訳がましくなったり逆ギレする場面も出てきます。

大人はともかく、子供のゲーム依存は親(大人)の責任に依るところが大きく、このゲーム問題は今や小中学校でも大きな問題となり持ち上がっています。

ゲームをやる時間に始まり、ゲームソフトの貸し借りによるトラブル、ひいてはお金が絡むトラブルにまで発展しています。生活習慣、人間関係、そして金銭トラブル。まるで大人社会の縮図のようだと感じませんか?

闇雲に『ゲームは悪影響だから全面禁止!』という乱暴な考えはありませんが、一定の基準を設けるなど対策が求められるところに来ていると感じています。

実は我が家でもゲームについて子供と衝突が起きており、対応に苦慮している真っ最中です。

長時間のゲームは脳の活動を低下させると言われており、言語や社会性の発達、認知能力の注意集中能力などが阻害されるという報告もあります。今からお子様にゲーム機やスマホ(インターネット)をお考えの方は、与える前にルールをしっかり伝え、両者納得の元、ゲーム障害にならないよう利用の仕方を考えてみることや親自身もゲーム障害がどのようなものか事前に調べてみるのもよいと思います。