全5回:感情と表現【4】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

【3】に続き【感情マネジメント】についてで、4回目となる今回は、『不健康な感情を生む危ない連鎖』についてお話したいと思います。

ほとんどの人は、自分の中にある“must”“should”、強い要求を満たせなかった時に『危ない連鎖』を作り出してしまう傾向があります。この“must”と固く凝り固まり絶対的な“should”の相乗作用で、ネガティブ感情の不安や怒り、鬱といった感情に結び付いていきます。

具体的に危ない連鎖とはどのようなもので、どういった形で表れるのでしょうか。

【恐れ】

意図せず予想もしない出来事が起こった時に『最悪!』という場合、それは“100%以上”の悪いことを指します。しかし、実際『最悪!』というほどに100%以上悪い場面は少ないものなので、まず、自虐的になる『物凄く悲惨だ』『酷すぎる、最悪!』『これでは破滅だ』という感情的な言葉は使わず、セルフトークの時には『不便だ』『不愉快だ』『面倒だ』という、自分の気持ちを把握するような言葉に置き換えるようにしてみてください。

【絶対的な普遍(いつも/絶対)】

言動や行動に腹立たしい人がいたり、イライラする不快な状況が、いつも絶対変わることはない、と信じ込んでいる状態のことです。 状況や他者がいつもある特定のまま変わらないものだ、と思い込むのはあまり現実的ではありません。状況や他者への感情的な反応は、意識することで確実に変えていくことができるので、『あなたはいつだって絶対そう』『絶対そう言うと思う』『絶対そうする!』といった“いつも”“絶対”を使ったセルフトークを止めるようにしてみてください。 ゴリゴリに固まった認知は、不安や怒りを引き起こしやすくなります。肩凝りも、凝り固まった認知も、身体の健康、心(メンタル)の健康には良くないものです。

【無価値】

わかりやすく言うと自己否定感情です。私なんかまったくダメで役立たずだし、価値のない人間なんだ、と思い込んでしまうことです。でも、考えてみてください。誰でも間違いや過ちを犯しますよね。生きていれば、小さな失敗もあれば、とんでもない失敗をやらかして周りに迷惑を掛けることもあるでしょう。恥ずかしながら、私も外出する度に街中で遭難し、パートナーに面倒を掛けまくっていますが、なかなか改善できない“究極の方向音痴”です(笑)

私たちは、誰でも長所短所を併せ持っているので、現実的に真のダメ人間なんてあり得ないのです。『まったく価値がないんだ』という気持ちは、低い自己受容、自尊心の無さ、羞恥心や鬱へと繋がっていきます。セルフトークする時に、自分に否定的な総合評価を“決めつけ”で与えるのは避けるように心掛けましょう。

非難や罵倒

非難し罵倒する例をクルマの運転時で挙げると『クソ、このヤロー!この下手くそ運転手!ったく邪魔だ、前を走るな!どけー!事故ってしまえ!』と言うことです。これには他者への非難だけではなく、自分への非難罵倒も含まれていて、人生のさまざまな状況で処罰や破滅を望むことです。このセルフトークはさらに怒りを増幅し、時として他者に対し暴力的な行為を引き起こしてしまいます。

自分も他者も思い通りにはならないものだし、間違いも起こすものです。ここでも口に出したりセルフトークで『前のクルマの運転手が下手くそで私は不愉快になっている』と冷静な言葉で自分の感情を確認してみることをオススメします。

「耐えられない!」

『こんなこと耐えられない!』→ 低い欲求不満耐性 → イライラ上昇 → 不安や怒りを生み鬱になる、です。欲求不満耐性が低いと「こんなの耐えられない!」が多くなり、これが元でさらに欲求不満が募り、自分や他者にイライラしやすくなります。極端な思考に走らず『確かにツラい。とてもツラい。でも、耐えられない、死んでしまう!と思うほどではないかもしれない』とセルフトークできるようになると、イライラから増しがちな欲求不満耐性が少し上がります。

最終回となる次回(25日)は、自分の感情に気付き、改善していくことと、自分の感情傾向を知ることに有効な“気分日記”についてお話しようと思います。

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全5回:感情と表現【3】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

前回【2】に続き感情と表現で、感情は認知(受け取り方)によって引き起こされるので、それをどう気づき、どのように改善していけばいいのかを考えていきましょう。

まずABC分析について説明します。

A(Activathing event)
キッカケとなる出来事で、実際に私たちが現実で直面する不快な状況のこと。

B(Belie)
キッカケとなった『A』に関する自分への語りかけ(自己内対話・セルフトークステートメント)。

C(Consequence)
感情、行動両方の結果のこと。これには不安、怒り、絶望などの不快感情の表出や、実際に起こした行動が含まれる。

ほとんどの場合、私たち自身が持つ思い込みや自動思考(アンコンシャスバイアス)、セルフトークステートメントが、実生活で起こるさまざまな出来事や状況が引き起こす感情を混乱させる原因になっています。

かなり極端な例ですが、連絡が取れないことやメールばかりしている夫の浮気を疑った妻サイドに立って、『A』(不快な出来事)、『B』(セルフトークステートメント・思い込み)、『C』(行動)分析をおこなってみましょう(笑)

妻:最近帰りが遅いね、連絡取れないし、一体どこで   何してるの?

夫:なに言ってるんだよ、社員が一人辞めたから仕事   が増えると話したろ?

妻:(B・セルフトークステートメント真っ最中)
<そうは言っても連絡取れないのは浮気しているに違いない、しょっちゅうメールやり取りしてるし>

妻:(C・実際の返し)そんなの知らない!それに最   近冷たいじゃない!もういい!!

(勢いよくドアをバターン!)

『C』という結果(行動)を起こすまでに、『B』が大きく関わっていますよね。

浮気を疑い『A』(不快・不信)、夫に問い詰め返事が返ってきて『B』(セルフトークステートメント)開始、モヤモヤ炸裂でぶちギレた結果、『C』という行動になりました。

このセルフトークステートメントに何が隠れているのか、皆さんはお気づきでしょうか。

そう、連絡が取れない、メールばかりしている・・・これは浮気をしているに違いない!という思い込みの罠に嵌っています。これをどう修正すれば『C』という行動にならなかったのでしょうか。

ポイントは『B』部分にあります。

<連絡が取れない> ➡︎『仕事中は連絡が取れないこともあるかもしれない』

<メールばかりしている>➡︎『仕事のメールかもしれない』『それだけで浮気を疑うのはやり過ぎかもしれない』

このように考え方を少し変えてみるのです。

“ラッシュの車内で思いっきり足を踏まれた”を例に、皆さんでABC分析をやってみてください(笑)

この『A』部分、キッカケになる出来事は思考を刺激し、セルフトークステートメントを呼び起こします。具体的には挫折や逆境、ストレスなどです。また、これらは過去〜現在〜(予測される)未来にわたり、それは現実のこともあれば、ただの想像であったりもしますし、実際に起こった悪い出来事であったり、実現しなければよかった失望であったりします。

前回情動知能についてお話しましたが、幸せでよりよく生きていくためには、一般的な知能より、この情動知能が大きく関わってきます。情動知能は遺伝ではなく、取得していくものなので向上させることも可能です。

認知療法は、誰にでもある無意識の思い込みやアンコンシャスバイアスに自分自身で気づき、修正を加えていけるようになることを目指します。また論理療法では生活の三分野、論理面・情動面・行動面を改善していくことにフォーカスします。

論理面とは【思考】【推理】【認識】、情動面とは【感情】【気分】、行動面とは【振る舞い】【動作】ということになります。

次回(20日)は“不思議な感情を生む危ない連鎖”についてお話していきます。

全5回:感情と表現【2】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

【1】に続き感情マネジメントについてですが、【2】では

感情とストレス

についてお話します。

まず前回の終わりに

感情とはいったいどこから来ると思いますか?

という質問があったと思います。

感情を引き起こし影響を与えているのは、脳の原始的中枢の、とある部分です。そこは言語を使うことでもっと高等な脳中枢部の影響を受け、支配されています。

私たち人間の感情と行動は、思考と起こった出来事をどのように受け取り、評価するかの影響によって生まれていると考えられています。

よく言われる「お父さんに似て短気だよね」という遺伝的要因は、その人の性格傾向に多少の影響を与えますが、実際はほんのわずかです。『ウチの家系はみんな爪の形が丸い』とはまったく違うのです。

次に感情がストレスを生み、健康に及ぼす影響についてお話します。

誰にでもあるストレスですが、同じ事が起こってもある人にはストレス、他の人にはストレスにならないことがあります。

なぜそのようなことが起こるのでしょうか?

それは不快な出来事をその人自身がどう解釈、評価するのかによって心が動揺するかどうか、またその動揺の振れ幅で決まるからです。ストレスの原因となる不快な感情を例にとり意識的、無意識的両面から、身体にはどのような症状が表れるのかを考えてみましょう。

無意識に筋肉が緊張し強張ることから、肩凝りや頭痛が引き起こされ、偏頭痛の原因にもなります。不快感情である怒りや恐怖は、血圧の上昇と同時に血栓を増加させる物質が分泌され血栓ができやすくなります。慢性的な情緒不安定は免疫力を弱めてしまい、風邪をはじめさまざまな感染症を引き起こしやすくなり、湿疹や脱毛も現れることがあります。円形脱毛症はよく耳にすると思います。

ストレス性胃炎があるように、継続した悩みや苦しみを抱え続けることで、胃が刺激され胃酸過多となり胸焼けや胃炎、嘔吐や下痢といった胃腸に症状が現れます。

ストレスは完全になくすことはできませんし、完全になくすことが必ずしも善とは言えません。ただ、気持ちを落ち込ませ、荒ませるストレスは生活の質と仕事のパフォーマンスを低下させてしまうので、ストレスを生んでしまう自分の感情を理解し、コントロールできないと健康面だけでなく、家庭、社会生活へのモチベーションが下がり、やる気がなくなり無気力無関心、抜け殻のようになってしまいます。

自分の感情を理解し、コントロールできないことで、自分自身の健康だけでなく、人間関係や目標達成などクオリティ・オブ・ライフに知らず知らずのうちに影響を及ぼしかねないのです。

こうして考えていくと、そうならないためには、メンタルにおける健康をいかに意識し維持していくかがポイントとなると言えます。

次回(15日)は、感情と行動を振り返り改善していく方法を、認知療法や論理療法(REBT)を交えながら思考、感情、行動をABC分析してみましょう。

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全5回:感情と表現【1】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

2月になりましたね。今月は連載企画として円滑な人間関係に必須である

感情マネジメント

についてお話しようと思います。

【1】では、感情を分析しながら

情動知能』と『その働き』

についてお話します。

感情とは・・・

精神的・肉体的・行動的

要素が入り組んだ気持ちのことです。

『精神的』には自らの感情を快・不快として感じますよね。

『肉体的』には感知する、緊張するといった形で体験するでしょう。

『行動的』には衝動的な行動を取ることで気持ちや感情を表出します。海で大声で叫ぶなど(笑)

私たち人間の持つ4つの基本的感情は

【怒り】【恐怖】【悲しみ】【楽しみ】

で、怒りとは強い不快感と敵意の感情です。皆さんは情動知能という言葉を聞いたことがありますか?

情動知能とは『人間の感情を理解しコントロールできる能力』のことで、いくら良い教育を受け知的に高くても、激しい感情を自己コントロールできなければ、残念ながら情動知能が高いとは言えません。知能に差があるように、情動知能にも大きな個人差があるのです。

情動知能には

1)自らの感情を知る。
2)自らの感情をコントロールする。
3)他者の感情を認識する。
4)人間関係を上手にする。
5)目標達成のために自らを動機づけていく。

という能力があります。

1)自らの感情を知る:自己内面にある感情を理解し、その感情の生を言えること。

2)自らの感情をコントロールする:自らの感情や無意識に出てくる思考(自動思考)を認識することで、

  • 動揺したら自分を鎮め、落ち着かせる。
  • 自己コントロールをする。
  • 怒りをコントロールする。
  • 情動をコントロールする。
  • 適切な時と場所で自らの感情を表現する。
  • 不安や怒り、鬱を長引かせない。
  • 避けられない失敗や挫折を上手く乗り越える。
  • ネガティブな感情が自分の判断力や問題解決の妨げにならないようにする。
  • 欲求不満に耐える。
  • 自らを認め、受け入れ、大切にする。

3)他者の感情を認識する:他者の感じていることや他者の意図を読み取り理解する能力のこと。

4)人間関係を上手にする:人間関係をスムーズにこなし、他者と上手に関わっていける人は、言いなりになるだけでなく、適切な自己表現ができる人と言えます。

対立や拗れが生まれた時でも、交渉を通し解決策を模索、導き出すことで対応が難しい相手にも対処できます。アルスの法則、メディエーターも参照。

5)目標達成のために自らを動機づけていく:計画性、忍耐力、欲求不満に耐えられる、衝動的な行動を抑えられる、楽しみを先延ばしにできる、挫折や失敗からリカバーできる、などが含まれています。

情動知能について理解できたところで、ひとつ質問です。

感情とはいったいどこからくると思いますか?

次回(10日)はそこからスタートし、感情と行動のABCについて学んでみましょう。

同調圧力とKY、思考

新年明けまして、おめでとうございます。

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

本年よりコラムの掲載は毎月5の倍数日

5・10・15・20・25・30日

を基本に掲載していく予定です。

本年もお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

2020年 子年

2020年最初のコラムは、日本人なら誰もが一度は経験したことのある同調圧力とKYについて書こうと思います。

同調とは他者に“調子を合わせる(本意、不本意に関係なく)”であり、【同調圧力】や【同調行動】は環境や関係、感情によって生まれます。似ているように思われがちですが、

同調】と【協調】はまったく違うもの

です。

同調が他者に(自分の考えや意見を飲み込む、または自分の考えや意思を持たず、無意識的、意識的に関わらず)調子を合わせることに対し、協調は他者と考えや意見、また立場が違っても“互いに”譲り合ったり、擦り合わせをし協力することを言います。

深く考えずに適当に「そうそう、そうだよね〜、あるあるー!」と言っているそこのアナタ、それは共感や協調ではなく、ただの同調です。

協調は互いに助け合い、協力し合うことで調和を目指す前向きなものなのですが、同調はその裏側に不安や恐怖、忖度に面倒くささもあったりするので、“見せかけの調和”と言えるのかもしれませんね。

人は自分と同じ行動(考えや意見)をする人に対し、親近感を持ち安心感を覚えます。これは同調効果と呼ばれます。似た行動にミラーリング効果がありますが、これをわざとらしくない程度に意図的に行動に織り込むことで、相手との心的距離を縮める効果があります。

話を戻しますが、日本は古くから単一民族であったため海外ほど“互いに違う文化や考え方を尊重し合い、認め合っていく”機会に恵まれてきませんでした。

まだまだ絵に描いた餅でしかないダイバーシティという考え方ですが、真の意味でなかなか浸透しない背景には“皆同じ行動”や“多数派が正しいかも?”という考え方が、集団としての“まとまり”として良しとされてきたこと、何より幼少期から飛び出す個性より足並みを揃えること、協調性を求められながら育てられることで、集団の中で浮かないことや長いものに巻かれることが生きやすいことと学んでいます。学校教育がその典型でしょう。

こと日本社会においては一概に間違いとは言えないと思いますが、“他者(の評価、考えや思考)”を“気にし過ぎるあまり、自分を上手く主張できない”ため、海外では“自己主張できない、自分の意見を言えない、ノーと言えない日本人”と映ることも多いようです。

日本では多数派の意見に異論を唱えると「それはオカシイ」という空気になり(もちろんオカシイ時は少数多数関係なくオカシイのですが)、挙げ句「空気が読めない」と思われ、略して【KY】という新語が生まれたほどです(笑)

人間関係において軋轢を生まないコツは、アサーションなどコミュニケーションスキルを身につけておくことはもちろんのこと、

事と次第によっては同感するし共感もするけれど、自分の意思があるので異論があれば同調はしない。でも、他者の意見や考えは尊重し、擦り合わせが必要な場面では互いに歩み寄ることで、なるべく納得のいく着地点を探る努力は惜しまない

といったところでしょうか。

実際問題、立場が違う人間と意見交換をしたり、人が集まり意見を出し合う場面では多少なり同調効果は表れるので、そこにゆる〜い同調圧力は働くものです。

同調は自分の考えや意見を表明しなくてもいいので、一見とても楽チンに思えます。しかしそれは恐ろしいことに

自分に問う、思考する、を麻痺させていく

側面も持っています。長いものに巻かれることは、ラクで間違いないこともあるので、処世術の一つと考えるとあながち間違いとも言えないかもしれません。ただそれが行き過ぎると、今の官僚組織のように忖度、KYばかりが常態化して本来の役割や目的を忘れてしまいます。

しかし、近年“思考する”ことができない(わからない、不得手)人が増えてきていると感じる背景には、“ラクだから(嫌われたくないから)同調しておく”もあるように思えてなりません。

フランスの哲学者であり、また数学者でもあったブレーズ・パスカルは『人は考える葦である』と表現しました。「葦はか弱いものである。だが、人間は宇宙より偉大だ。なぜならば考えることができるからだ」と。

【考える】は、とても面倒なプロセスで、考えても考えても、頭から湯気が出そうになるほど考えても解がないことは多くあります。解を求めたがるのは人間のサガかもしれませんが、

解を求めることが目的ではなく【思考すること】こそが目的

と言い表すとわかりやすいでしょうか。

人間が考える葦ならば、思考しなくなった人間はただの葦ということになります。

考えても解がないから無駄だ、とは思わないでください。解がないこともまた解なのですから。

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メディエーター介入によるトラブル解決法とは?

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

今回は人間関係においてつきまとう、さまざまな“トラブル”について、ひとりひとりが身につけておくと良いだろうスキルについてお話します。

第三者に介入してもらい(第三者として介入し)ながら、冷静に解決していくためのルールや心構えを

【AL’S(アルス)の法則】

といいます。

これは当事者同士でトラブルを解決しようとして感情的なぶつかり合いが起き、さらに悪化するだけでなく『そもそものトラブル原因って何だったっけ?』と訳がわからなくなって互いに嫌な感情だけを残す、このような本末転倒なことにならないために身に着けておくスキルで、何かの時に参考になると思います。

当事者同士だけでなく、どちらにも片寄らない(偏らない)メディエーター(第三者)が入り、話し合うことで解決を試みることはとても理にかなっています。

ただ当たり前ですが、

誰にメディエーターとして介入してもらうか

が重要になります。弁護士による介入はよく耳にすると思いますが、弁護士に依頼するほどのことではなかったり、職場における人間関係だったりすると、弁護士による介入が果たして現実的かと言えば、そうとは言えないケースがありますよね。むしろそういうケースのほうが日常的に多いのではないでしょうか。

仮に弁護士に依頼したとしても相手も弁護士に依頼すれば、結果弁護士同士の話し合いとなり、その時点で弁護士はメディエーターとは言えず、また弁護士は依頼者の利益を法的に最大限引き出すことが仕事ですから、そういう観点からもメディエーターとは言い難いでしょう。

メディエーターの条件として、

感情的にならない。

対立している二人に対し和解策を見出し、サポートする気持ちを持っている。

両者の言い分を自分フィルターを掛けずに(先入観を持たず)聞くことができ、冷静に解決に導き援助する姿勢がある。

です。

おわかりのように、どちらかに肩入れする人が偏った認識で介入(例えば、恋愛問題にどちらかの友達が「私はアナタの味方だからね!」で加勢するようなケース)しようとすれば、問題はより複雑化し、取り返しのつかないことにもなりかねないので、メディエーター選び(メディエーターとしての関わり方)はかなり重要になります。

両者の間に立つメディエーターを軸に、

(Agree)→合意する。話し合いのルールを守る。

・お互いに正直に自分の気持ちを話す。
・言葉を決して遮らず、一旦お互いに話を聞く。

●(Listen)→傾聴する。お互いに聴き合う。

・感情や思い込みを排し、相手の話に耳を傾ける。

●(Solve)→解決する。妥協点を探る。

・お互いに解決しようと努力する。

それぞれの頭文字を取り、【アルスの法則】といいます。

どちらかが友人の場合、自分のバイアスや感情を挟まず上手くメディエーターの役割を果たすことはとても困難です。無意識に自分が好意(思い入れ)を持つほうに引っ張られて冷静さを失いがちになるからです。それはとても自然な感情なので否定はしません。しかし、メディエーターとしては失格です。

話し合いを持つことで<勝敗>を決めるのでなく、“理解(相手の本意を知る)”を促し、目指すところは“和解”だからです。

いますよね「仲裁しなきゃ!」と善かれと考えて関わり、結果、引っ掻き回すだけで却って拗れて収拾がつかなくなるケース。誰でも一度は経験があると思います。

関わるな!ではありません。

【アルスの法則】を頭のどこかに置きながら、両者のために適切な介入ができることで、あなたの人間関係トラブル解決力は格段にアップします。

管理職やプロジェクトリーダー、グループリーダーなど組織の中で人をまとめる立場の人ほど【アルスの法則】を知っておいても損はないかもしれませんね。

大好きな人、苦手な人のこんなところに注目してみませんか?

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

今回は自分、他者を理解する上で頭に入れておくと、どこかで参考になる【言語優性・感覚優性】【視覚優位・聴覚優位】という機能についてお話しようと思います。

人には言葉、文字といった

言語による情報が脳内情報処理→理解→記憶しやすい【言語優性】

映像や絵、音といった

感覚器官の情報が脳内情報処理→理解→記憶しやすい【感覚優性】

の二通りのタイプがあります。

絶対にどっち!というものでも、どちらかに偏ることが

優劣を決めるものでもない

ことを念頭に置いてください。人はどうしても優↔︎劣と考えると、優れている、劣っているという一般的な意味に取りがちですが、わかりやすく【優性遺伝】【劣性遺伝】で考えると、その“性質”が表れやすいかどうかの違いということになることはお分かりいただけると思います。ただ、言葉のニュアンスからどうも誤解されがちです。

一重まぶた、直毛、エクボができないなどは劣性遺伝、二重まぶたは優性遺伝ですが、一重が二重より劣っている、直毛より天然パーマが優れているという意味ではありませんよね(笑)

遺伝的性質が表れやすいかどうか?

です。

話が大きく逸れてしまいました(笑)

さて、この【言語優性・感覚優性】【視覚優位・聴覚優位】もどちらかに大きく偏る人もいれば、比較的バランスが良い人もいます。その“性質傾向”の割合とでも考えてください。

また、目から入った<視覚>情報が脳内情報処理しやすい視覚優位、耳から入った<聴覚>情報が脳内情報処理しやすい聴覚優位というタイプに分かれます。

【りんご】と言われて『りんご』『リンゴ』『林檎』など最初に文字が頭に浮かぶ人は言語優位、最初にイラストや写真、映像としてりんごが頭に浮かぶ&味として浮かぶ人は感覚優位と言えます。

完全に分かれなくても“どちらかの傾向が高いアンバランスな作り”になっているのが人間で、見た目の違いだけではなく、細かいさまざまな性質、傾向の違いがその人の個性というものを形作っているとも言えますね。もちろん、ここには生育環境も大きく影響してきます。

ちなみに私は【言語優性・聴覚優位】で、絶対音感を持っていますが、どちらもそれなりの(?)バランスのようです。記憶力は良いほうですが、自他ともに認める方向音痴で、感覚的なセンスはどうやら壊滅的なようです(泣)

聴覚優位の人は耳からの情報処理が優れているので、絶対音感を持っていたり、会話からの情報処理がスムーズです。視覚優位の人には話だけで理解してもらおうとするより、口頭+メモ(+イラストや写真)を使いながら説明をしたほうが当然理解しやすく、脳内情報処理や記憶もスムーズです。

どちらが優れているという能力としての優劣ではなく、『絵を描くことが得意、文章を書くほうが得意』『見て理解することが得意、聞いて理解するほうが得意』・・・という違いだと理解してもらうとわかりやすいかもしれません。

クリエイターやデザイナー、カメラマンなどアートに関わる人は感覚優性が圧倒的に多いですし、物書きや分析を仕事にしている人は言語優性が多いようです。

以前コラムにも書いた私のパートナーはクリエイターです。私が逆立ちしても出てこないような独特な視点、表現するセンスを持っているので、認知面だけではなく『人ってこんなに違うものなのね』をとても身近に感じて感心すること然りです。

多少話がズレますが、発達障害を持つ人は【感覚優性・視覚優位】のタイプが比較的多いので、特に“聞いたそばから抜け落ちていく”覚えることがとても苦手なADHD(や、その傾向)を持つ人には、何度も言い聞かせて覚えてもらおうとするのは残念ながらあまり効果がありません。

ただでさえワーキングメモリーの容量が少なく、自分の興味関心があること以外抜け落ちやすい特性もあるので、『いくら言っても覚えない(覚えられない)』が起こります。

この<覚える、覚えない(覚えられない)>と実際に<出来る、出来ない>はまた違うので、脳機能について書く時にでも説明しようと思います。

さて、視覚優位の人には話して覚えてもらうだけでなく、視覚化するためにメモを取ることが効果的です。とにかく視覚化できるものは視覚化する、です。

ADHDの人に対しては、シンプルにわかりやすく手順をまとめ、イラストなどを添えて視覚化→口頭説明するのが入りやすいと言われています。

17歳までは『WISC Ⅳ(ウィスク・フォー)』、それ以降は『WAIS Ⅳ(ウェイス・フォー)』という検査で、言語理解や記憶、聴覚理解や記憶など、あんなことやそんなことまで案外いろんなことがわかりますので(笑)、機会があれば受けて自分の特徴を知っておくとよいかもしれませんね。

アンコンシャスバイアス:思い込みの罠

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

いきなりですが、あなたには下の図が何に見えるでしょうか?

多くの人は【黒い背景に白い盃】のように見えると思います。しかし、眺めていると【向き合った二人の顔】にも見えてきませんか?

二つの見え方を比べてみると、【黒い背景に白い盃】【白い背景に向き合う二人の黒い顔】というように、白と黒のどちらを主体的に見るかでまったく異なる形に見えてきます。

この現象を【図一地反転】といい、見方によって異なる形に見えるものを【多義図形(反転図形)】と呼びます。また、見えていた盃が顔の形に見えてくると、盃は姿を消してしまい、両者を同時に見ることはできません。

この“ルビンの盃”と呼ばれる絵は、実は何の絵でもなく無意味な線の集合です。それが意味を持ち図形(絵)として意味づけされるのは、大脳での処理の結果なのです。

私たちの【見る】という働きは、刺激を固定的、普遍的に取り込み、それだけで明確に判断できなければ主観的なイメージが大きく作用します。

多義図形がどう見えるかは

見る人のその時の心的な構え、期待、関心、注意、欲求などさまざまな要因

によって左右されます。

アンコンシャスバイアス(思い込み)などによる他者との意見の食い違いやズレはこんなところからも生まれ、対人関係にヒビが入ることもあるのです。

自分には自分の視点、他者には他社の視点があり、それぞれ認知も違うということを、

あえて意識する、

これが大切です。

『自分はそうじゃない(そうは思わない)から、他者もきっとそう思わないだろう(思わないに違いない、思わないに決まっている)』という“(経験則からくる)自分常識”は、実はとても危険な考えで、カチコチに固まった偏った認知になっています。

私はフルーツやほとんどのスイーツは苦手なのですが、大概、「美味しいのに何で食べないの?」「変わってる」「女性は普通、スイーツ好きなものでしょ?」や、しまいには「好き嫌い多いよね」というトンチンカンな反応に遭うことがあります。

“女性はフルーツが好き、スイーツが好き”という『(女性ならば)自分もそうだし、大多数はそうだろう』というアンコンシャスバイアスからきていますよね。

なぜフルーツが苦手だから食べないというだけで「変わってる」と言われ、しまいには「好き嫌いが多い」と言われなければならないのか謎です(笑)

ピーマンが嫌い、ニンジンは食べられない、中華はちょっと・・・と言っているならまだしも、フルーツになると「好き嫌いが多い」と決めつけられる・・・不快にはなりませんが『そんな認知しか持てないなんてカワイソウな人・・・』になります。

知らず知らずに陥っている罠、それがアンコンシャスバイアスです。

無意識にあえて意識を向けることで気づけることもありますので、ぜひ心掛けてみてください。

アサーション:自己表現

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

アサーションとは自分も他者も大切にした、やわらかな自己表現のことで、

コミュニケーションスキル

でもあります。まずどのような自己表現があるのかみていきましょう。

【アグレッシヴ・攻撃的自己表現】
私はOK、あなたはNOT OK(どうでもよい)。

【ノン・アサーティヴ・非主張的自己表現】
あなたはOK、私はNOT OK。

【アサーティヴな自己表現】
私もあなたもOK。

と3つのタイプに分かれます。

一つずつみていきましょう。

【アグレッシヴ・攻撃的自己表現】
①自分の意見、考え、気持ちははっきり言うが相手の意見、考え、気持ちは軽視、無視する。

②押し付けがましく相手に言うことを聞かせようとし、支配的。

③一方的な主張をし、相手の話を聞かない。

④感情的に罵ったり声を荒げる。

⑤他罰的で責任転嫁する。
【ノン・アサーティヴ】
①相手の意見、考え、気持ちばかりを窺い、相手に合わせる。

②自分の意見、考え、気持ちを表現しない。

③「ノー」と言えない。

④相手任せで諦めやすく消極的。

⑤ストレートに言わず遠回しな表現をする。

⑥他人本位で自己否定的。

⑦依存的、自己犠牲が強く卑屈になりがち。
【アサーティヴ】
①自分の意見、考え、気持ちを表現する時に、相手の気持ちにも十分配慮する。

②穏やかに主張でき、現実的な目標を追求する。

③自分にも相手にも素直であり、率直である。

④必要ならば譲歩、妥協してもよいと考えられる。

⑤積極的且つ歩み寄りの姿勢があり、自他協力的。

⑥自分の責任で行動。

アサーションに取り組む上で重要なポイントがあります。それは・・・。

自分には感情があり、自分の感情を大切にし表現してよい。 ➡︎ 自分は完璧な人間ではないが、人格を持った価値ある存在である、と認めること

自分と同様に、他者にも感情があり、相手からの「NO」や拒絶を受けるかもしれない覚悟を持つこと。

お互いに歩み寄って、お互いに納得がいく結論に向かおうとすること。

「いつでもアサーティヴであらねばならない」と考えないこと。➡︎ 自分の行動、考え、感情は自分自身で決めてよい。

他のコラムを挟みますが、次は具体的なアサーションの取り組み方について書いていこうと思います。

第ゼロ印象

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

第一印象、第一印象とはよく言いますが、第ゼロ印象という言葉をご存知ですか?

第一印象は“他者と初めて会った時の印象”ですが、

第ゼロ印象とは、会う前の印象のことです。

一番わかりやすいのが“お見合い”ですね。今は少なくなりましたが【釣書き】と【写真】を見て、『どんな人なんだろう?』と想像します。

そう、その“想像”こそが第ゼロ印象です。

インターネット時代の今なら、SNSで繋がる → その人の投稿や、その人が違う人とやり取りする様子から、どんな人だろう?こんな人かな?と想像しますよね。そこから会うことがなければ第ゼロ印象が良くも悪くも第ゼロ印象のままTHE END。会って初めて第一印象がスタートします。

いずれ会う(かもしれない)ことを考えれば、第ゼロ印象が悪いほうが、会ってからの印象は良くなる傾向にあります。『あ、見た目ほど怖くない(+)』『案外気配りできるんだ(+)』のように加点印象されるからです。

だからといって、わざわざマイナスイメージを持つように印象操作をするのは止めましょう。悪すぎると相手に会う気を失わせます(笑)

反対に、第ゼロ印象がとても良い場合、第一印象以降、良くてイメージの現状維持。ほとんどの場合『あれ?何か・・・違うなぁ』と減点印象になります。『思ったとおりの人だ(±0)』『え、挨拶できない人?(−)』『好き嫌い多いわー(−)』『案外チャラいかも(−)』のように。

第ゼロ印象で人は自分を“全部出し”しません。上手に自分をプロデュースできたり、取り繕えれば第ゼロ印象はプラススタートになり、ぶっきらぼうで横柄、見た目も怖ければ第ゼロ印象は(超)マイナススタートになる、ということです。先にも書いたように、実際に会った時の第一印象はまた別の話になるのでご注意を。

皆さんも第一印象の前に第ゼロ印象がある、ということを意識してみてはいかがでしょうか。

ちなみに私のパートナーは第ゼロ印象はそこそこ悪、実際目にして話をする直前までの第一印象(0.5印象ぐらい?)は最悪(怖すぎる、人見知りなので口数少なめ)でしたが、噛めば噛むほど・・・のスルメタイプの人だと思っています(笑)