春休み真っ最中

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

学校の長期休みの中で一番短いのに、学年が変わることもあり宿題が少ない(らしい)春休み。

起こさないと昼過ぎまで寝てるくせに、やらないければいけないことをひたすら後回しし、ダラダラまったりとやりたいこと(スマホゲーム、動画、アニメ)ばかりやってしまう特性盛り盛りな息子。

そんな彼を見ていると、なんでも計画的にサクサク先に済ませ、残り時間でやりたいことをする私はかなりモヤるわけです。

一緒に生活はしていませんがパートナーは重複なしASD孤立型なので、一見似たような特性に見える部分があってもADHDのそれとはまったく違います。

パートナーにイライラすることはなくても(パートナーだからではなく)、ADHD特性盛り盛り息子にはモヤりっぱなしなことを考えると・・・親子だからパートナー関係だからとは別で、実生活でADHDとの相性はかなり悪そうだなー、と感じます(笑)

決めた。春休みなんだし、もう17歳なんだから食事の世話なんかやらない!ご飯は炊いてあるし、冷蔵庫を漁れば食材はあるんだから適当に食べればいいのだ!

まさか17歳に毎食作らないからといって、虐待だのネグレクトだのとは言われないよね(笑)そもそもほぼほぼ成人と言ってもいい年齢ですし(笑)

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ADHDについて【番外編】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

番外編として、ADHD に起こる特性とその理由、本人の工夫/周囲の人ができる配慮などをお話しして終わりにします。

●忘れ物やケアレスミスが多い
<理由>
ワーキングメモリの弱さがあるため、“今のタスクを忘れないようにしながら(記憶の一時保持)”他の作業をすることが難しい。

<本人の工夫>
本人は「大丈夫、覚えていられる」と思っていても実際は難しいので、頑張って頭で覚えておこうとせず、メモ帳(アナログですが)や、スマホのリマインダー、スケジュール、アラーム、メモ機能などをフル活用する。

<周囲の配慮>
周囲の人は、作業中に追加指示を与えないこと(今やっている作業に戻れなくなったり抜け落ちる)、作業の区切り目に声をかけ確認する。
●〆切期日を守れない、計画どおりに実行できない
<理由>
衝動性からタスク終了までの時間の見積りが甘く作業に入ってしまう、興味関心が移りやすいので、今やっている目の前の作業が終わらなくても気になることに手をつけてしまう。ワーキングメモリの弱さから〆切期日を意識しながら複数作業ができない(あれこれ手をつけ、どれも中途半端)。

<周囲の配慮>
作業前に周囲の人が客観的に時間の見積りをし作業量を調整する。本人の意思だけで目の前の作業に集中し続けることは難しいので、周囲の人が随時声がけをしながら進捗状況を確認し、今やるべきことに集中するようサポートする。
●落ち着きがない
<理由>
衝動性から興味関心に引っ張られ、思いついたら状況判断(優先順位や作業分量など)をせず、行動してしまう。

<本人の工夫>
脳の覚醒が低いことも原因とされているので、落ち着かせようとすることが余計に脳の覚醒を下げ、より行動のブレーキが効きづらくなる恐れがあるため、多少の変化がある状況を作り出せる環境を用意する。本人は周囲に迷惑をかけない範囲で時分に刺激を与え(貧乏ゆすりやペン回しなど)、覚醒を促せる方法をいくつか考えておく。
●約束や予定を忘れる
<理由>
ワーキングメモリの弱さから、予定が記憶に定着する前に他の情報が入ってくることで混乱や抜け落ちが生じ、最初の情報(約束や予定)を忘れてしまう。

<本人の工夫>
ケアレスミスと同じように頑張って覚えるのではなく、メモやスマホのさまざまな機能を活用する。

<周囲の配慮>
周囲の人は「覚えているだろう」と期待し過ぎず(忘れてるかもな、と考える)、予定などは適宜確認する。
●自分にとって重要なことでも話を聞き続けたり、資料を読み続ける(勉強なども含む)ことが苦手
<理由>
自己抑制の効かなさがある衝動性から、他の情報に注意や目が向くと意識あ引っ張られてしまう。また、ワーキングメモリの弱さから記憶しておける情報量が少ないので、読み続けたり話を聞き続けたりすると脳で情報処理できなくなる。

<本人の工夫>
本人も周りもこまめに休憩を入れることを心がける(20〜30分に一度)。休憩時間に自分のペースで情報を整理したり、脳内を一旦リセットする。

<周囲の配慮>
周囲の人はADHDの特性を理解し、焦らせない、一度に多くの情報を与え過ぎないよう留意し、本人のペースを尊重する。
●遅刻を繰り返す
<理由>
ワーキングメモリの弱さから、予定の時間に合わせて行動したり、注意の配分(時間の見積り)やマルチタスクが困難。出かける前に「洗濯物を干す」「読みかけの本を読む」など別の作業を始めてしまうと時間に意識が向かなくなり、気づいた時には間に合わない時間になっている。衝動性と注意の切り替えも上手くいかないので、他の作業を始めてしまうと中断することが難しい。

<本人の工夫>
特性として、作業に没頭(興味があることへの過集中)すると、時間意識がスッポリ抜け落ち、作業時間も最小で見積りがち。不注意や衝動性を自分一人でコントロールすることは難しいので、遅刻せずに行動できた時の手順をパターン化してルーティン化する。

<周囲の配慮>
成功パターンのルーティン化に力を貸しサポートしていく。
●部屋の整理やモノを探すことが苦手
<理由>
ワーキングメモリや転換的注意の弱さ、過集中、空間把握能力の低さなどの特性から部屋の片付けやモノを探すことが苦手。片付けていても雑誌やアルバムなど他のことに注意が移ってしまう。転換的注意とは作業を切り替える力と考えるとわかりやすい。また、何をどう片付けてよいのかわからない場合もある。ADHDがあると、本人は覚えているつもりで「とりあえず置いておこう(後で片付けよう、後で捨てよう)」も多いので、それが部屋中(家中、引き出し中)で起こると、もうどこから手をつければよいのかわからなくなる。面倒なこと(気が向かない)は後回しにしてしまう特性や優先順位をつけることにも苦手があることから、片付け始めてもなかなか片付かないということが起こりやすくなる。

<本人の工夫>
モノの住所(置き場所/鍵などは動線を考えて玄関近くに置くなど)を決めたり、不必要なものを買わない(モノを増やさない/あれば便利なものは必要ないものと知りましょう)、モノを平積みせず立てて収納する、視覚化するために透明ケースを活用するなど。ADHDの人の片付け術は、巷に溢れる“〜お片付け術”やおしゃれ収納にはマッチしないことがほとんど。さまざまな特性を理解している専門家などに相談しながら自分に合った方法を一緒に考えてもらいましょう。
●思いついたことをそのまま口に出して他者を怒らせたり、周囲をドン引かせてしまう
<理由>
衝動性から深く考えずすぐ口に出してしまう(これは言っていいことかどうか判断する前にもう口に出してしまっている)。

<本人の工夫>
口に出してしまったものはどうしようもないので、相手を不快にさせてしまったら言い訳したり取り繕おうとせず、すぐに謝罪する習慣を身につけることや、自分の特性に「衝動性があるから、思ったことを口に出す前に少し考えなきゃ」と自覚することも大切。「あっ!マズい!」と思った途端、脳内パニックになって謝罪することを忘れてしまう、もよくあること。

生活に支障が出やすい自分の特性にはどんなことがあるのか、ジャッジせずに受け止め、対策を考えていくことが生きづらさの軽減に繋がります。「できない」「やっぱり自分はダメなんだ」と落ち込まないでください。自分に合った“やり方”がありますし、工夫をすることで対策が取れることもたくさんあります。

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ADHDについて【2】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

【1】でADHDが後回し・先送りしてしまうのは報酬系機能の弱さからくると書きました。また、それが報酬系機能の弱さからだけでもないとも書きました。

今やるべきこと(その時やらなくてはならないこと)ではなく、違う行動を優先してしまう理由には、特性からくる衝動性も関係してきます。

本人は「やらなくてはいけないこと」を理解していても、自分がやりたいこと(興味関心のあることや目についた気になること)をしたい衝動を我慢できない、ということです。

例えば、テスト前だから勉強しなきゃ、明日のプレゼン資料を見直ししてくるように言われたからやらなきゃ、などなどの状況であっても自分の“やりたい”を優先してしまうのです。

毎日息子を見ていると、よーくわかります(笑)

ADHDには実行機能(計画立案、それを実行するために段取る力)にも弱さがあることから、報酬系機能の弱さ/衝動性/実行機能の弱さ/ワーキングメモリーの弱さ、が複雑に関わっています。ワーキングメモリーが少ないと、やらなくてはいけないことが目の前にあっても、他の刺激(片づけしている最中に見つけたマンガ、勉強中に目の前に置いたスマホ)で注意が逸れ、結果やらなくてはいけないことが後回しになってしまいます。

後回し・先送りだけでもこれだけの特性が関係してきますから、タスク遂行しなくてはならないことが目の前にあっても、特性の掛け合わせから自分の努力だけで抗うのが相当難しいことがわかります。

ADHDによく見られる特徴は他にも、

  • 忘れ物、失くし物が多い。
  • ケアレスミスが多い。
  • 落ち着きがない。
  • 人の話しに被せる(話しを最後まで聞けない)。
  • 同じ資料や勉強を続けられない。
  • 部屋の片付け、物を探すことが苦手。
  • 計画は立てられても予定どおりに進めたり、期日〆切を守れない。
  • 思ったことを後先考えずに口に出す。
  • 約束や予定を忘れる。
  • 遅刻を繰り返す。
  • 計画性がなく衝動買いをする。
  • 大事な場面で眠くなる、寝てしまう。

などがあります。

番外編では、なぜそのようなことが起こるのかを脳機能から、また、自分の周りができる工夫や対策などに軽く触れてADHDについてを終わりにしたいと思います。

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ADHDについて【1】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

ASDについて深掘りする機会が多かったので、今回から2回にわたりADHDについて深掘りしていきたいと思います。

ADHDと聞いて私生活/社会生活において困り感が出やすい特性の筆頭に、後回し・先送り癖があります。もちろんADHDでなくても、程度の差こそあれ気が進まないことに対して、誰でも先延ばししてしまうことはあります。

しかし、報酬系機能の弱さからくるADHDの先送り癖は、そうではない人の先送りとはまったく違うと言えます。

有名な報酬系機能の実験にマシュマロテストというものがあります。マシュマロではなくチョコレートでも飴でも構いません。

子供に「目の前にあるチョコレートを15分我慢したらチョコレートを2個あげます。でも、15分待てなかったらチョコレートは1個だけです」と話し、先の大きな報酬(長期的報酬/この場合15分待てたらチョコレート2個)のために、今すぐの報酬(短期的報酬/この場合今もらえるチョコレート1個)を我慢できるかどうかを観ます。

報酬系機能が弱い子供は我慢できずに食べてしまうんですね。

報酬系機能は満足感や達成感を司る神経系なのですが、ADHDの特性から目の前の報酬(チョコレート1個)に飛びつき、長期的報酬(15分後のチョコレート2個)のための我慢ができません。

わかりやすく言うと、欲に忠実とでも言うのでしょうか(笑)当事者の話でも聞きますし、我が子を見ていても非常によくわかります。

ただ、先延ばし・後回し癖は何も報酬系機能の弱さからくるものだけではありません。

ワーキングメモリーの低さや衝動性も関わってくると「これ終わったらアレしよう」と思っていても、あちこちに情報があるとそれが刺激となり、注意が逸れたり(集中できない)、興味関心にグイグイ引っ張られて、そもそも何をしようとしていたかを忘れます。

ワーキングメモリーは脳内にある“情報を載せておくお盆”をイメージしてみるとわかりやすいと思います。

そのお盆が小さいと情報(例えばハサミ/洗濯物をしまうなど)をひとつ載せたらお盆はいっぱいになり、他の情報(提出予定の書類/回覧板を回すなど)は載せきれず、情報の上に重ねて置く(重なって下になってしまった情報はなくなったと感じ見つけられなくなるか忘れる)になってしまいます。下になったタスク自体が忘れ去られてしまうので、結果“先延ばし”になってしまうのです。この点がADHDではない人の先送りとはまったく違う点だと言えます。

次回【2】ではADHDの先延ばし癖を衝動性や実行機能から見ていきます。

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いつもにも増してイライラが募る夏休み

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

明日からお盆休みの人も多いのではないでしょうか。余談ですが、お盆は全国的には8月中旬、まさに今ごろですが、東京などは7月中旬だそうです。明治維新で旧暦から新暦に変わった時、東京は旧暦のお盆をそのまま新暦に当てはめたことから7月中旬になったようです。7月中旬だとまだ梅雨が明けていない年もありそうですね。

さて、学齢期のお子さんがいるご家庭にとって、今まさに夏休み。学校が長期休みになる夏休みや冬休み、春休みはイライラが増すのではないでしょうか。

我が家もご多聞に漏れず、弁当作りからは解放されるものの、朝から「かーちゃん腹減ったー」「暑いよ、アイス買って」と16歳がめちゃくちゃウザいです(笑)

「やる事やってからスマホ触れ」と口が酸っぱくなるほど何年も言い続けても、起きたらスマホ・・・。「薬飲もうよ」「わかってる!」のリピート合戦。

言わなければできず(やらず)、声を掛けても後回しにしようとする・・・約束を守れないのがADHDだと頭でわかっていても、多少はイライラするものです。我が家のスマホ&ゲームルールは、私が勝手に決めず、息子と話し合って決めているのですが、それでもまったく守れません・・・。

目先の興味関心にグイグイ引っ張られ、約束なんて遥か忘却の彼方。こればかりは脳の特性なんだと諦め・・・るわけにはいきません。

もちろん、これから先、本人も困る周りも困惑(迷惑)する特性は幾つもありますが、社会人になって困る事ダントツ1位だからです。

少しでも、ひとつでもできること(自分にあったライフハックを見つけられ、自分で対処できるようになる)を増やして大学→社会へと送り出したいと考えている私は、必死に頭を振り絞って考えています。

今年の夏休み、息子は『じぶん研究合宿』に参加するので、同じような特性を持つ同年代と交流することで自己受容や特性理解が進めばいいな、と思っています。

夏休み、頑張って乗り切りましょう!

8月15日火曜日のコラムは夏季休業のため休載します。8月20日日曜日より掲載します。

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メディアが取り上げる発達障がい

メンタル・イデア・ラボ、AEのスミです。

最近、テレビ(主にNHK)が発達障がいについて取り上げることを目にすることが多くなりました。そのこと自体は、とても意義のあることだと思います。

一般に広く発達障がいが認知されることは、社会の発達障がい者への理解が進み、配慮された環境が整う可能性があるからです。市民権を得られつつあると言ってもいいかもしれません。

人の見る目が否定的から肯定的に変わる、人が無知から博識になる、この意義は非常に大きい。もちろん、まだまだ現実は厳しいものがありますが・・・。

一方で、メディアの発達障がいの“取り上げ方”に目を向けて見ると、いささか疑問と危惧を感じざるを得ません。

ADHDとASDに限れば、メディアの取り上げ方はどちらか一方だけと言ってもいいでしょう。そのため、発達障がいの特性もどちらか一方の特性を取り上げます。

これは間違ったメッセージになりかねません。

というのも現実は重複、つまりADHDとASDの両方を持っている人がほとんどで、したがって表れる特性もADHDの特性なのか、ASDの特性なのか、一般にはわかりにくいのが現状です。

ASDの場合、さらに大きく3つのタイプがあります。積極奇異型、受動型、孤立型です。この中でADHDとASD積極奇異型はその特性が似ている場合があるので、判別は困難です。

メディアが『わかりやすい内容』を重視するのは理解できますが、ADHDとASDを完全に分けて取り上げる、というのは乱暴でそれこそ配慮がない気がします。せめて『実際は重複の人がほとんどなので、その特性がADHDとASDのどちらなのか、見極める必要がある』ぐらいはアナウンスしてほしいと思っています。

重複の人がほとんど、ということをメディアは知らないことはないと推察します。事前に当事者や専門家に取材し、リサーチしているはずですから。それでも別々に扱っていることから推測できるのは、複雑になりわかりにくくなる、面倒なイメージが先行して、社会が(企業が)受容しづらい方向へ向かってしまう、などと考えたからでしょうか。本当のところはわかりません。

私たち視聴者に大切なことは、メディアが取り上げることは本当のことである一方、全部ではなく一部である、ということを意識することだろうと思います。関心があれば、自身で調べて理解を深めていけばいい。あくまでもメディアは知るキッカケに過ぎないもの、と思ったほうがいいかもしれません。

ここ数年、私たち視聴者もメディアの言っていることを鵜呑みにせず、自身で調べ自身の見解なり考えを持つ、という姿勢が問われています。発達障がいを取り上げる番組も例外ではありません。メディアで取り上げられている発達障がいの人たちは、あくまでも“例”に過ぎず、それで『発達障がいを知った気になる』のは極めて危険であり軽率であることを、ここで付記しておきたいと思います。

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注意機能【2】

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

人には触覚をはじめ全身に多くの感覚器官があり、視覚・聴覚・嗅覚・味覚からも膨大な量の感覚情報が大脳に送られます。

しかし、脳の情報処理には限界があるため入力された一部の感覚情報を取捨選択しています。今重要な情報にフォーカスし意識を向け集中するというのが注意機能の役割になります。

人の意識には無意識(潜在意識)/意識(顕在意識)があるのはご存知だと思います。生活する上で今必要な情報を抜き出し意識に上げ(顕在化)、大部分の情報は意識に上げない(潜在化)フィルターを持っています。

定型(もしくは健常者)と言われるタイプの人は、五感から入る多くの情報から無意識に今必要(重要)な情報を拾い上げ(選択・集中)顕在化しています。

スマートフォンで行き先を確認しながら歩いていて横断歩道に差し掛かった、と想像してみてください。目の前の信号を確認するのはもちろん、対向車が右左折しようとしていないか、スピードを出した車がこちらに向かって来ていないか、点滅する黄信号で向こうに渡り切れるか、自転車やバイクはいないか、渡ったらどちらの方向か、などさまざまな情報を無意識に感覚器官から受け取っていますよね。

定型(もしくは健常者)が意図せず無意識にやっている作業でも、発達障害/高次機能障害/認知症などがあると、多くの情報から特定の情報を拾い上げる注意の集中・選択が苦手だったり、できないことで日常生活に支障が出ることも多くあります。

ASDなどで感覚過敏があったりADHDがあると、感覚情報が多すぎて押し潰れそうに感じたり、脳内整理ができずパニックになったり、思考がフリーズしてしまう場合もあるのです。

自分ができることは誰でもできるだろうと思ってしまいがちですが、目に見えない特性から不得手だったり、できない人もいる、ということを知るのは大切なことだと思っています。

4月のコラムは5日水曜日は春季休業のため休載し、10日月曜日より掲載します。

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親/当事者が発達障害と向き合うということ【2】

⚠︎:発達障害は先天的な脳の発達の偏りなので、親の躾や環境、また、本人のせいではありません。発達障害をややこしくしているのは、無理解、無知からくる不適切な対応などでさまざまな神経症や精神疾患を併発したことによる二次障害といえます。

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

2月になりました。寒さが厳しく、またほとんどの都道府県にまん延防止重点措置が発令されていますが、如何お過ごしでしょうか。

前回からの続きで、親/当事者が発達障害と向き合う【2】として、向き合う上での重要なステップとしての具体例を書こうと思います。

それは、親は【我が子トリセツ】を、本人は【自分トリセツ】を作ることが挙げられます。

私が住む自治体は希望者に対し、特性がある子供を持つ保護者向けに【うるおいファイル】なるものが配布されます。知らない人がほとんどだと思うので、周知不足だと思っていますが・・・。

このうるおいファイル、生育歴から通院服薬歴、集団生活や家庭生活など多岐に渡り細かく記載できる仕様で、私も息子が8歳からチマチマと書き込んでいます。これは我が子トリセツ&本人が自分トリセツを作成する際の貴重なデータベースとなるのです。

出来ない(苦手)ことがあるのが発達障害(グレー含む)です。出来たほうが本人も周りもラクなのは確かです。ですが、やり方を変えてみる、これぐらいでいいかと望むレベルを少し下げる、協力してもらう、などやれることはあるものです。

究極の面倒くさがりで、早起きしてもなぜかダラダラして毎朝遅刻寸前で飛び出す息子は、“お風呂から上がったら制服の下に着る体操服をパジャマの下に着て寝る”という、自分なりの時短を考えたようです。親としては『?』ですが、自分で考えた末のハックなら仕方ないか、と。

まだまだ改善の余地はありますが、忘れっぽいことを減らすためにスマホのリマインダーを使い、集金袋は玄関扉のノブ部分真上にマグネットで貼る、など工夫しているようです。「もっとこうすればいいのに」と思うこともありますが、不自由を感じ自分で対策を編み出さないと意味がなくダメなので生ぬるく見守っています。つい口を出したくなるところを、生ぬるく見守ることが重要です。

障害を(特性)を認めるとラクになります。苦手だからこそ「どうすればできるか/ラクできるか/効率良いか」を考えられます。苦手なことを正攻法だけでやらせようとすると親はイライラ、子供反発→衝突します。このあたりは一般的なことかもしれませんね。

頂上を目指す登山で考えてみましょう。頂きは一つでもいろんなルートがありますよね。私の考える頂上(目標)は、息子が社会的に自立生活できることです。

Aという険しいルートが最短でAを選択する人が大多数だとしても、Bという多少なだらかで時間がかかるルートや、Cというさらになだらかで手摺もあるが時間はもっとかかるルートもあります。あるいはDという時間はCよりも相当かかるけど景色がとても良いルートもあるかもしれません。Bが合っているようならBを選択、Cでのんびりが合ってるならCを選択、その子のペースで。

こう思えるとイライラがなくならないまでも、ほんの少し余裕が生まれるものです。

できないことや苦手なことがあっても、そんなことであなたの価値は変わりません。

頑張っているお母さん、お父さん、頑張っている子供たち。頑張っているすべての人たち。頑張っている自分をもっと認めて褒めてあげてくださいね。

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親/当事者が発達障害と向き合うということ【1】

⚠︎:発達障害は先天的な脳の発達の偏りなので、親の躾や環境、また、本人のせいではありません。発達障害をややこしくしているのは、無理解、無知からくる不適切な対応などでさまざまな神経症や精神疾患を併発したことによる二次障害といえます。

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

現在15歳の息子は小3の終わりに、今も継続通院中の児童精神科でさまざまなテストを受け、発達障害(ADHD・ASD)の確定診断が下りました。

私は早くから違和感を感じあちこちの窓口に相談していましたが、発達障害は見た目や短時間過ごしただけではわからないことが多く、「子供なんてそんなものなのに、親が気にし過ぎで障害を作り出しているんじゃないの?」←これ、子供がいない夫婦に実際に言われました。「そんなに子供を障害児にしたいなんてどこかオカシイ」など、無理解と無知な知り合いから凄まじい言われ方をされた過去もあります。

腹が立つより、あまりの無知さと自分はなんでも知っていると思っている傲慢さを憐れに思ったのを覚えています。

障害を認める。

そこには親も子も高いハードルがあることを知っています。それは偏り「障害は“害”と付くくらいだし人より劣っているなんて恥ずかしい」という思いがあるからではないでしょうか。

“ち害(違い)”くらいにしか考えていなかった私は、確定診断に心からホッとしたのを憶えています。「あー、だから〇〇だったのね」「だから〇〇ができなかったのか」と行き場がなく掌に余っていたパズルがピッタリ嵌った瞬間でした。

そんな息子は小学校高学年で登校渋りから不登校にもなりました。発達障害(グレーも)があると、大多数の定型児(※)向きにカリキュラムを組まれた学習・授業、定型児だらけの学校生活に息苦しさや生きづらさを感じ、登校渋りや不登校になる確率が高いのです。

※定型:発達障害ではない人のことを『定型』と言い、定型児とは発達障害ではない児童の意。

「行けないもんは仕方ないよ、行きたいけど行けないんだもんね」・・・これは息子が絞り出すように「行きたいけど行きたくない(←行けない、ではなく行きたくないという表現により深い苦悩を感じます)」と泣きながら言った時、私が返した言葉です。

今以上に日々修羅場でしたが、二人でおにぎりを持ってピクニックしたり、部屋キャンプしてみたり好きな具を乗せまくったピザを一緒に作ったり、博物館へ行ったことは今となっては良い思い出です。現在進行形で尖りまくりの思春期真っ最中なので、思い出にしてしまうのは早いかもしれませんが(笑)

中学校では本人の希望もあり、一部の先生方を除き学校生活はクローズド(障害をカミングアウトしないこと)で中学生活を送りながら、他校の情緒級(通級)に通っています(入学した中学校には情緒級がなかったため)。

どんなに頑張ってもできないこと、工夫しても苦手なことは多々あります。面倒臭がりで忘れっぽいのと、タスク管理のガバガバさ、思い込みの強さや見通しの立てられなさからいつも何かを探していますし、意味不明なマイルールを振りかざしてはみるものの、本人が頭『???』になっていることもあります。

何かを探しているうちに何を探していたのかわからなくなり、良くも悪くも楽観的なADHD「ま、いっか〜」になることも多々あります(←良くない、困るのは本人)。好奇心旺盛で衝動性に抗えないADHDですから、本人はできるつもり(やりたい気持ちもあり)で自分の脳のキャパシティを考えず、いろいろなことに手を付けますが、そのほとんどは途中で興味を失うか忘れ去られるか得意の「ま、いっか」で、結果放ったらかしになります。

学校生活で周りに特性で迷惑をかけないように必死で頑張っている(らしい)分、家ではあり得ないADHDっぷりを発揮し、これが親子間衝突を引き起こします。脳のキャパシティが少ないのが発達障害で、多くの情報を同時進行で処理(マルチタスク)するのが苦手ですが、見た目にわからない障害だけに、“当たり前に”できる大多数と同じように“当たり前に”できるだろうと思われます。

本人が自分の脳のクセやキャパシティを知り、優先順位を付け、出来ること出来ないことの振り分けができて、苦手なことを上手に他者にお願い(助けてもらう/頼る)できるようになることが必要です。そのためには自分の特性を受け止め、受け入れ、理解していくことはとても重要なステップになります。

今回はここまでとします。次回は続きとして、特性を受け止め、受け入れ、理解していく重要なステップの参考として具体的に書こう思います。

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毎日何かに困っている、困らない日はない

メンタル・イデア・ラボの本城ハルです。

よく言えば『おっちょこちょい』『天然』『好奇心旺盛』でムードメーカー。悪く言えば『時間や約束を守れなくてルーズ』『片付けられなくてだらしない』『面倒くさがりで怠惰』と周りから困り感がわかりやすいADHD。

よく言えば『ミステリアスでマイペース』『自分に正直』。悪く言えば『空気を読めない』『共感がなく直球過ぎる物言いが人を傷付けたり不愉快にさせる』『字面どおり受け取り冗談が通じなくて面倒くさい』『マイルールがあり、理解不能なこだわりがある』というASDでは、同じ発達障害でもひと言では括れません。

本人はもちろんですが、周りの戸惑いや困り感の“種類”がまったく違うので、

何より大切なのは確定診断ではなく、【自分の脳のクセを知る】ことです。

本人が脳のクセを知り理解することは、どのような困り感がどんな場面で表れるのかがわかり、工夫対処しやすくなると同時に周りの人たちに協力や配慮をお願いしやすくなります。

発達障害は“ASD”だけ、“ADHD”だけ、のような単体は実は極めて少なく、LDや協調運動障害を持ち合わせていたり、ADHDにASDが加わって重複しているケースがほとんどです。

そして忘れてならないのが、強く表れている特性もあれば“風味”程度にしか表れない特性もあるということです(だからといって“特性がない”わけではありません)。同じ診断名でもグレーでも人の数だけ多様な表れ方をするのが発達障害です。

本コラムでも何度かお話しているように、表面だけを見て“片付けなくて散らかっている”でも、ADHDからくる特性かASDからくる特性かでは、その理由も対策も変わってきます。

要領が悪く並外れて不器用、究極に面倒くさがりで生きていくのが大変そうな息子を見ていると、興味関心がある物事以外はどれほど自分にとって重要であっても、取り掛かるハードル自体がとても高いように見えます。

その一端を紹介すると、使った食器を洗うために茶碗、お椀、グラス、最後に皿と箸と食べ終わる度にキッチンを忙しなく何度も行き来して運びます。いつも大きなトレイに載せて食べているので(いろんなものをひっくり返すので被害を最小限に止める目的と対策)、食べ終わったらすべての食器をトレイごと下げれば合理的で一度で済むのですが・・・。

行動すべてが雑で不注意が服を着て歩いているような息子は、動く度に躓く、何かを引っ掛けて落とす、ひっくり返すことが日常です。気の進まない、やりたくないこと、やっている何かを途中で中断しなくてはいけないこと、楽しくないことは本人にメリットデメリット関係なく、漏れなく『面倒くさい』に分類されます。それでもその面倒をやるうちに、今度はそれまでやっていた作業や、やらなくてはいけない作業を忘れてしまいます(読みかけの本をしまう、畳んだ洗濯物を片付けるなど)。

日々やることをルーチン化しよとしても、それが本人にとってどうでもいいことだったり面倒さを伴い、気が進まないことだと定着しません。その典型的な例が薬の服用です。もう小学生からずっと服用しているので、習慣になっていてもおかしくないのですが、未だに定着していません。なので、服薬管理は今でも100%私がしています。服薬させるためにいろいろと試行錯誤した結果、今は朝の小皿と夕方の小皿を用意し、服用する薬を1日分ずつ出しておくこと、でした。にもかかわらず、毎回数度の声かけと「間違わずに飲んでね」は必須です。

1日にしている数え切れない声かけを減らし、自分で気付いてできることを増やしていかなくてはいつまでも他者頼みのままです。しかし、服薬管理だけは飲み忘れから副作用が出やすく体調悪化に繋がるのと「できないんだからお母さんがやってあげるしかないでしょ?」という主治医の言葉で“仕方なく渋々”やっている状態です・・・。

大人になるまでに、どれくらいできることが増えるでしょうか・・・。

言わなくては定着しない、繋がらない。言い続けても定着するかどうかわからない。

要するに“当たるかもしれない宝くじ”みたいなものですね。常に脳の活性化ができてボケなくて済みそうです(笑)

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